落語家・桂歌丸の「笑点」(日本テレビ系)司会引退を受け、あらためて芸能人たちの引き際に注目が集まっている。
タレントの坂上忍は、MCを務める「バイキング」(フジテレビ系)で、自身の引退について「滑舌がダメになったら」と見解を述べ、一応の区切りとして還暦をあげた。
「スポーツ選手なら体力的な衰えがバロメーターになるが、芸能人の場合は引き際の判断が難しい。会社員のように定年があるわけでもなく、死ぬまで引退しない人も多い中、あえてそこを語るのは勇気がいること」(放送関係者)
石橋貴明も、自身の引き際に言及した一人だ。昨年、「とんねるずの皆さんのおかげでした」(フジテレビ系)で、「(仕事が)なくなったらなくなったとき。それは寿命でしょ」「若い時から生意気やっていたから、それが人気がなくなって『仕事ください』って今さら頭下げられない」と語っている。
また、80歳にしてなお現役の美輪明宏は、今年2月にゲストとして来場した絵画展で取材を受けた際、「まだ顔や手にシワやシミがない。相手役にシミだらけの手を出すことになったら失礼なので、それが引き際」と持論を語った。
「いずれも、自身のキャラクターやプライドがにじむ発言。美学があるのでしょう」(ベテランの芸能ライター)。
女性芸能人では、「これからは精いっぱい、さりげなく生きていきます」の名言を残した山口百恵(現・三浦百恵)さんを筆頭に、結婚を機に潔く引退するケースもあるが、フィナーレを華々しく飾れるのは一握り。いつしか人気がなくなり、人知れず表舞台から姿を消す芸能人のほうが多いようだ。