25年間、ジャニーズ事務所の金看板を張った国民的アイドルグループSMAPが、解散を発表した。今年1月から続く騒動がついに現実のものとなったが、原因はメンバー間の確執だけではない。その最深層には帝国に君臨する“新女帝”の「陰謀」と冷徹な手腕が存在したのだ!
NHK紅白歌合戦のリハーサル中のこと。ステージ裏のモニターで、嵐の立ち位置をチェックしている女性がいた。時に眉をひそめ、画面を指でチェックする。高級ブランド服で身を固め、網タイツにピンヒール。周囲のNHKスタッフもピリピリしていたことから、目撃者は「あまりの尊大な態度に局のお偉いさんかと思った」という。
女性が片手に持った携帯電話は、ギラギラした人工石で「Jully」と飾りつけてあった。この人物こそ、ジャニーズ事務所の新女帝・藤島ジュリー景子氏(50)その人である。母は事務所の「女帝」、副社長の藤島メリー泰子氏(89)だ。
──8月14日、SMAPが今年の12月31日をもって解散することが発表された。そしてその背景には、ジュリー新女帝が巡らせた陰謀と冷徹な手腕があったというのだ。
そもそも、SMAPの解散危機が報じられたのが今年1月。引き金となったのはグループの育ての親で元マネージャー・I女史と、メリー、ジュリーとの派閥抗争だった。「SMAP解散騒動の全内幕」(宝島社刊)の著者・常田裕氏が解説する。
「I女史はジュリー氏の座を脅かす唯一の存在でした。それでメリー氏が『将来的にIがジュリーを抑えて、会社の実権を握られるかもしれない』という被害妄想を抱いて暴走した。15年1月29日号の週刊文春『ジャニーズ女帝怒りの独白5時間』のインタビュー中には、メリー氏がI女史を呼びつけて記者の前で面罵するなどのパワハラも行われた」
I女史はメンバー全員を引き連れて事務所移籍を画策。ところが木村拓哉(43)が賛成せず、クーデターは失敗に終わり、I女史は「追放」のような形で退社する。メンバーは冠番組「SMAP×SMAP」(フジテレビ系)で騒動を謝罪、解散を否定する「公開処刑」でケジメをつけた。
しかしその後、5人そろって番組や公の場に姿を見せることはほぼなく、ファンの間で存続は常に危ぶまれ続けていた。そんな5月5日、事務所社長のジャニー喜多川氏(84)が、
「僕は命をかけても(守る)。SMAPは我が子と同じですから。僕に相談なしで(解散することは)絶対ない。解散なんて冗談じゃない」
と公言。危機は収まったとされた。しかし実際には解散騒動以降、グループ内の不和はどんどん大きくなり、特に木村と、I女史を「母」と慕っていた香取慎吾(39)のきしんだ関係は修復不可能なくらい悪かった。香取が、
「(木村と)一緒の現場で仕事するのも無理」
とまで言うほどで、中居正広(44)が香取を説得するなどして、解散という最悪の結末を避け続けていたという。神様・ジャニー氏の解散否定宣言こそ、危機の表れだったのだ。ある番組制作関係者が証言する。
「ジャニーさんの説得もあり、何とか『活動休止』の形を全員が呑んで、話はまとまりかけていた。ですが裏側でジュリーがある動きをした。それを知った香取らが激怒し、一気に解散へと動いたのです」
はたしてジュリー氏とはいかなる人物なのか──。