では、刑務所での生活とは、いったいどのようものだったのか?
「入所する前に『性欲は強いほうですか?』とか『同性に恋愛感情を抱くことがありますか?』など、性癖について聞かれるんです。性欲よりもお酒とタバコを絶つほうがつらかったですね。特にお酒。私、1日5時間も寝れば大丈夫なので、夜がとても長かったです。やることがないので、トルストイの『戦争と平和』や『アンナ・カレーニナ』などの古典を読破しました」
15年春に入所以降、一部のネット情報では「ボールペンや弁当箱の組立作業をしている」「独居房ではなく雑居房に入っている」など、服役中の様子が伝えられていたが‥‥。
「今日は、どうしても言いたいことがあったんです。刑務所内の生活について、勝手なことを書かれていたみたいですね。でも、ネットの情報は全部デタラメ。ボールペンなんて一度も組み立てていません! ずっと独居房だったし、『1人はさみしいから、雑居房に変更してほしい』なんて、ひと言も言ってないです。平日は朝8時半から30分の昼休憩を挟んで16時半まで、洋裁工場でミシンを使って毎日バレエシューズを縫製していました。以前からストリップの衣装や小物などを自分で作っていたので、ミシンの扱いは得意だったんです(笑)」
栃木刑務所は、600人以上が収容される国内最大の女子刑務所。そこにはさまざまな“女子”がいた。
「全寮制の女子校みたいでしたね。私が入所した直後も『ついに小向が来たらしい‥‥』と、すぐに刑務所内に噂が広まったみたい。あと、古参の女囚が率いる複数のグループがあって、『最近、アイツが誰々と仲よくしているのが気に入らない』とか『アイツが誰々の悪口を言っていた』など、女の園にありがちな、くだらない足の引っ張り合いが各所で起こっていましたね。刑務所には中国人をはじめ、外国籍の受刑者も多かったんですが、日本人のほうが陰湿でしたよ」
女子刑務所というだけあり、図書館にはたくさんの料理本があって人気だったそうだが、平日は6時半に起床し、消灯・就寝は21時という規則正しい生活を送ることになる。そのため“獄中生活で激ヤセ”という報道もあった。
「それも間違っていますね(笑)。確かに痩せる人も多いらしいんですけど、私はお酒が飲めない分、御飯を食べすぎてしまって逆に太ってしまいました。1日3食の御飯は男性サイズの茶碗に盛られて出てくるし、昼食にあんこたっぷりのコッペパンが出ることも。祝日には1人1箱クッキーが配布されたり。塀の中のほうが太る誘惑は多いくらいでしたよ。『運動の時間』があるので、タイ人のグループと一緒にバレーボールをしてダイエットに励みましたが、食の誘惑には勝てませんでしたね(笑)」