昨年末の「紅白歌合戦」のその後がおもいのほか、盛り上がっていない。ギリギリまで期待を持たせたSMAP不出場など理由はさまざまあれど、「視聴者をバカにした演出が一番の原因」という声が多い。なぜなら「第67回NHK紅白歌合戦」は2年連続の紅組勝利で幕を下ろしたわけだが、視聴者のほとんどがその判定に不服を唱えていたからだ。
勝敗は視聴者投票、会場の観覧客による投票、そして審査員の投票によって決定。視聴者投票は、番組中に途中経過を発表しているが、最初こそ紅組がリードしていたもののその後は白組が逆転。最終結果でも白組は紅組に約170万票の大差をつけ圧倒。同じく、会場の観覧客による投票も白組が制した。ところが、審査員票の大半が紅組に集中した結果、紅組の大逆転優勝に繋がった。
「投票の内訳は、ゲスト審査員が各人1票で計11票(ふるさと審査員含む)、視聴者投票で勝ったほうに2票、会場の観覧客で勝ったほうに票に2票入る仕組みになっていました。しかし、こんな妙なポイント制を全国の視聴者が完全に理解するわけがありません。実際の数字は100万票以上、白組が勝っているわけですからね。そもそもどちらが勝っても何も変わらない紅白の勝敗ですから、視聴者投票の途中経過で大差をつけられた紅組の見栄えをよくするために審査員たちの同情票が紅組に入ったという声もあります」(テレビ誌編集者)
こんなねじれ現象が起きてしまったことで、紅組の司会を務めた有村架純も優勝が決定した瞬間に「えっ?どういうこと?えっ?」「ちょっと、びっくりしました。てっきり白組が勝つと思ってたので‥‥ありがとうございます!」とあたふた。審査方法を完全には理解していなかったようだ。
「これはNHKの大失敗でしょう。視聴者からの白組投票数が約420万票ですが、それでも2票分にしかならない。とすると、審査員1人が200万票以上の“力”を持っている計算になります。ここまでパワーバランスの崩れた演出をなぜしたのか理解に苦しみます」(テレビ評論家)
視聴者もこれには超シラケムード。「子供が投票した白組が勝ったと盛り上がっていたのに、まさかの結果であ然とした」「来年は誰も投票しないと思う」「今回の紅白はこれで余韻も全て吹っ飛んだ」など、評価は散々だ。
アーティストのパフォーマンスでも特筆すべきトピックもなかった今回の紅白、全てにおいて後手、後手に回る醜態をさらしてしまったようだ。
(佐伯シンジ)