テレビ離れで各局が視聴率ジリ貧にあえぐ中、ご当地ローカル番組がひそかなブームになっている。規制だらけでマンネリ感が漂う東京キー局に対し、地域に密着したゆる~い企画が地元民の熱い支持を受けているのだ。ゆったり、のんびり、地道に“つばぜり愛”の火花を散らす関東ローカル3局がここに雌雄を決す!
西武ドームのライブを生中継するなど、人気アイドルグループ・ももいろクローバーZを“半ば抱える”(16-17年末年始も特番を3本放送)、テレ玉(テレビ埼玉)が勢いづいている。
「始まりました! 埼玉の奇祭」
「これが正月の風物詩!」
今年も元日夜7時、おとそ気分の真っただ中に埼玉県民の一部が、テレ玉の番組に釘づけとなって熱狂していた。
ステージ上には、昨年4月に初当選したばかりの伊奈町・大島清町長(68)が登場。バックには学ラン姿の中学時代の同級生を従えて舟木一夫の「仲間たち」を高らかに歌い上げると、満員の客席ではペンライトの応援が左右に大きく揺れる。続いて、「東京ガス」埼玉支社長がハッピ姿の社員を率いて「銀河鉄道999」を披露した。さらにLPガスブランド「ガスワン」の会社「サイサン」社長が郷ひろみの「2億4千万の瞳」の替え歌を「ガースワンワン」と熱唱すれば、埼玉県議会議長が黄門様のコスプレ姿で「水戸黄門」をフルコーラス! 他に「埼玉りそな銀行」社長、熊谷に本社を置く飲食店「馬車道」グループ名誉会長など県を代表するお歴々のトリを務めたのは上田清司県知事(68)だ。羽織袴姿で「荒城の月」を思い入れタップリに熱唱するのだった。
これが埼玉県民の不動の正月人気コンテンツ「埼玉政財界チャリティ歌謡祭」の豪華ラインナップである。おなかいっぱいの濃い中身は一時、東京キー局を差し置いてツイッターの書き込みが殺到する快挙を記録した。
「キー局の番組を抑えてツイッターのトレンドワードの上位(1位)になるなど、話題となっていることは、たいへんうれしく思います。この番組は26年前に、時の知事をはじめ県内政財界の有志が、地域文化の振興を目的として実行委員会を立ち上げてスタート。現在も、放送を通じた地域貢献事業として継続しています」(テレ玉編成部)
ちなみに予選はなく、出演者には番組実行委員会から直接声をかけて決定しているという。
これに対し、チバテレ(千葉テレビ)が82年から実に35年間も毎週放送を続けている素人参加型カラオケ番組が「チバテレビカラオケ大賞21」だ。
「番組にはカラオケスナックなど協力店の推薦を受けた方が出場しています。やはりふだんから歌い込んでいる実力派の方が多く、出場の際には皆さん豪華着物やラメ入りスーツなど気合いの入った衣装でステージに臨まれている。毎週のチャンピオンの中からさらに選抜大会を経て30名ほどが年末のグランドチャンピオン大会に出場することになります」(チバテレ広報部)
ちなみにtvk(テレビ神奈川)には素人参加のカラオケ番組は存在しない。
「その代わり、音楽番組なら木村カエラさんを輩出した『saku saku』や、98年より放送900回を超える『伊藤政則のROCK CITY』など内容を充実させています。洋楽番組『ビルボードTOP40』は、同一ビデオジョッキーが担当する音楽番組としてギネス記録を保持しているんです」(tvk編成部)
やっぱり、神奈川がいちばんおしゃれっぽいじゃん!