●ゲスト:石田純一(いしだ・じゅんいち) 1954年、東京都生まれ。3歳から6歳までを米・ワシントンで育つ。早稲田大学在学中に映画・演劇を学ぶため渡米。79年、NHKドラマ「あめりか物語」で俳優デビュー。83年、ハリウッドNBCのテレビシリーズ「マルコ・ポーロ」に準主役で出演。85年、日豪合作「カウラからの脱走」に主演、豪アカデミー賞作品賞を受賞。88年、ドラマ「抱きしめたい!」(フジテレビ系)出演。これを機にトレンディドラマを代表する俳優に。一方で97年から「スーパーJチャンネル」(テレビ朝日系)のメインキャスターに就任するなど幅広く活躍。2009年、東尾理子と結婚。現在は1男1女の父。昨年7月、東京都知事選に出馬を表明するが断念。「おはよう朝日です」(ABC)、「TOKYOモダン商店」(BS日テレ)他にレギュラー出演中。
トレンディドラマで「平成のプレイボーイ」として一躍人気を博し、その後バラエティや情報番組と活躍の場を広げる俳優・石田純一。天才テリーを相手に、昨年夏の都知事選における出馬表明の真意、政治への目線、妻・東尾理子や子供たちとの暮らしをダンディに語った!
テリー まずあらためてうかがいたいんですが、去年の都知事選へ出馬宣言された時はどういう思いでしたか?
石田 いちばん強かったのは、国民・都民の声と、国会や都議会の中で行われていることが、あまりにもかけ離れていることに対する疑問や憤りです。例えば、集団的自衛権の行使とか原発の再稼働とか、特定秘密保護法に関してもそうですけど、街に出て意見を聞けば反対のほうが多いんですよ。それなのに国会や都議会では賛成が80%に近い‥‥議会の内と外の意識のズレに危機感を募らせていました。
テリー で、舛添(要一)さんが、あんな形で都知事を辞めることになったことで一歩踏み込んだと。民進党から石田さんへ出馬のオファーがあったんですか。
石田 そうですね、それまでも民進党に限らず、そういうオファーはちょこちょことあったんですけど。
テリー どうして断念することになったんですか?
石田 あの時いろいろ報道されたとおりなんですけど結局、民進党の中で時間内には推薦の話がまとまらなかったのが大きいですね。
テリー お金の話もいろいろ出てましたけど?
石田 ありました(苦笑)。CMとか収録済みの番組なんかで「都知事選に出るんだったらオンエアはできないよ」と。もちろん話し合いはしましたけど、一部の番組やCMに関しては弁償しなくてはいけなくなりました。まァ、実際は出馬しなかったので、莫大な額ではなくなったんですけど。
テリー 出ていたら、やはり大変でしたか。
石田 はい、億どころじゃないですね。
テリー うひゃー!でも、それだけの覚悟を持っての宣言だったんですね。現在の小池(百合子)都知事の動向をどう見ていますか?
石田 「大改革」という看板ほど革新性があるとは思わないですね、「政策」がまだ見えてこないので。私怨をはらんだ都議会の“改革”や都庁の“改革”には着手したかもしれないですが(笑)、今のところは新たな流れを作るというより、流れをつかむのがとにかくうまいと思います。
テリー 仮想敵を作るのも上手ですよね。
石田 そうですね。今は見違えるように、生き生きとされてますが、以前お食事をご一緒した時は、あまりお元気とは言えなかった。
テリー まァ、その頃の小池さんは自民党内で干されてたような時期もありましたし。
石田 ええ。ただ、築地のことを都議選の焦点にしようとか、あんまりスケベ根性は出さないほうがいいと思うんです。
テリー 確かに、ちょっと引っ張りすぎですよね。
石田 それこそルーズベルトの時代から100日とか3カ月とか、短いスパンで成果をあげる政治家のほうが人気がガッと上がるじゃないですか。小池さんにもそういう勢いでやってほしいんですけどね‥‥長引かせると潮目が変わるおそれがありますから。