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昨今、男性週刊誌でも「死ぬまで性行為」なる特集が人気だが、「性は生なり」を体現するジェームス氏の言葉には説得力がある。続けてもらおう。
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では、同年代の友人との研究成果の一端をお教えしましょう。親しい友人から聞いた話です。彼がある女性とコトに至った時、突然ムスコがムクムクと反応を起こしたらしいんです。しかし、年齢のせいもあってか、若い頃のようなギンギンにはならないわけです。そこで一計を案じて、ムスコを靴べらに乗せて挿入を試みたそうです。ところが、その様子を見ていた女性からは「私は靴じゃありません!」と顰蹙を買ったそうです(笑)。ところが、それでも意に介せず、挿入を続けていると、たまらず女性が言ったそうです。「(ペニスはいらないから)靴べらだけでいいわ!」と女性に見限られてしまったとか(笑)。
でも、それでいいと思うんです。80代にもなってムスコが現役でなくなると、女性に対しても臆病になりますけど、むしろダメ元で口説けばいいと思うんです。
昭和の名俳優、森繁久彌さんは晩年も口説き方が洒脱だったといいます。「いじるだけだから。妊娠しないからいいでしょ?」と女性にアプローチしていたそうです。この年になってようやく、森繁さんの言葉が胸にしみいるんです。「そうやって口説く気持ち、よくわかるなあ」と‥‥。
同年代の仲間にはバイアグラを使ったことがある人もいます。でもバイアグラって、飲んでから1時間ぐらいたたないと元気にならないじゃないですか。風呂に入っても時間が余るし、女性と食事している最中に元気になられても処置に困るしで(笑)、結局、使わなくなったそうです。
結局、誰でも寄る年波には勝てず勃ち具合も若い頃と同じというのは不自然ですね。この頃では自虐的に僕のムスコを、“使用済み燃料棒”なんて呼びます(笑)。「再稼働は無理ですね」って冗談も言っています。
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女性の好みについても一家言ある。
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僕は、哀愁が漂っていて羞恥心を持っている女性が好みなんです。今の20代にはこの2つを兼ね備えている女性があまりいないから、食指が動きません。
昔の芸能人であげるなら、山口百恵ちゃんとかマリリン・モンローには哀愁と羞恥心がありましたよねえ。彼女たちは「俺が何とかしてやらないとこの子はダメになる」という、男の保護本能をかきたてる魅力を持つ、すばらしい女性でした。
年を取ってから「いい女だな」と思ったのは、五月みどりさん。若い頃から色っぽかったけど、色気はいまだに健在ですよね。哀愁と羞恥心も兼ね備えていますし。
ちょっと若い世代だと、壇蜜さんが僕のドストライク。絶世の美女というわけではないけれど、哀愁と恥じらいがあるのがいい。
何とかして一度だけでもお会いしたくて、僕が脚本を書いたドラマにキャスティングしてもらったことがあるんです。NHKの「経世済民の男」という三部作の「高橋是清」で、プロデューサーに「ぜひ!」と直談判して。
15年の夏に初めてお会いできた日のことは、今でもハッキリと記憶しています。猫を飼っていることは知っていたから、「あなたは猫を飼っているでしょう?」と聞いたんです。うなずいたから、「ウチのオス猫と交尾させてつがいにしませんか?」と切り出したら、丁寧にお断りされました。遠回しに口説いたつもりだけど、気づいてもらえなかったみたいだ(笑)。
ジェームス三木:1935年満州生まれ。俳優座養成所を経て、歌手として13年間活躍。その後、脚本家に転身。ドラマ「澪つくし」や「独眼竜政宗」「八代将軍吉宗」などの脚本を数多く手がけるヒットメーカーとして知られる。また愛煙家としても有名。