前回までのあらすじをざっと──。
「安い紙使ってよ。300円くらいの漫画雑誌を作るか!」
1年程前、突然の“ビートたけし責任編集・週刊漫画雑誌発行構想”を受け、徳間書店さんに相談をすると、殿のやる気とは裏腹に、殿の多忙さやコスト面等々の懸案事項が浮上し、とりあえず漫画雑誌構想は一旦見送るといった結論になったのです。
が、殿はそんな外野の声などものともせずに、発行する当てのない雑誌名を「週刊中年マンデイ」と勝手に名付けると、漫画原作をせっせとネタ帳に書き留めては、ことあるごとにわたくしに披露してきたのです。
「おい、これどうだ。『明日のジョー』に対抗してよ、『明日のニョー』。主人公が病院に行って、糖尿ですって言われるだけの漫画な」
そんな、出口の見えない時期が半年程続いた頃、改めて徳間書店さんから“週刊ペースでの漫画雑誌発行は無理としても、紙を使わない有料ネット・マガジンといった形であればコスト面でも実現可能なのでは?”といった提案を受けたのです。その提案を殿に報告すると、
「何だっていいよ。俺が全部やるから、ネットでも何でも早くやるぞ!」
と、変わらずのやる気を炸裂させ、さらには、
「あれだな。漫画だけじゃなくてよ、もう何でもありのお笑い雑誌にするか」
と、中身の大幅変更まで宣言されたのです。そして、
「『中年マンデイ』ってのも悪くねーけどよ。何か他にねーか?」
と、雑誌名変更を思案されると、しばらく黙り込んだあと“見つけた!”といった感じで、
「おい。『お笑いKGB』ってのはどうだ!」
と、スパッと決断。
ちなみに殿が言うKGBとは、旧ソ連のそれでなく「カツラ・バンバン・バラス」を略した、正式名所「カツラKGB」のことです。このカツラKGB、世に紛れ込んでいるカツラ装着者を暴いていく諜報活動を目的とした秘密結社であり、元は浅草キッドさんが始めたものでした。が、殿はこの活動をいたく気にいり、今では殿のほうがKGB活動にご熱心なのです。まー悪名高きカツラ暴露団体の説明はさておき、「お笑いKGB」です。
現在進行中の企画は、殿原作の漫画、殿のインタビュー、殿の人生相談、当連載「たけし金言集」を原作とした漫画、読者投稿によるカツラ目撃情報等々。
殿曰く、
「もう何でもあり、思いついたことはどんどんやってく!」
そんなネット・マガジン「お笑いKGB」がスタート。
最後に、ネット・マガジンの仕組みを説明すると、殿が決まって聞いてくるよくわからない質問を──。
「俺のアイフォンでも見れんのか? お前らの携帯じゃ見れないのか?」
殿、誰のアイフォンでも携帯でも見れます!
ビートたけしが責任編集長を務める有料ネットマガジン「お笑いKGB」好評配信中!
◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!