ビートたけし責任編集のネットマガジン「お笑いKGB」が、いよいよ始動いたしました。
思い起こせば1年程前、
「安い紙使ってよ、毎週出す漫画雑誌作りてーな」
そんな殿の発言が事の始まりでした。
1度思いつくと、しばらくは“そればっかり”になる殿の性格ゆえ、もうそれからは会うたびに、漫画原作のアイデアを、とめどなく伝えてくる日々が始まったのです。が、恐ろしく多忙な殿が原作を務める週刊ペースでの漫画雑誌発行は物理的にも厳しいと思われ、周りの誰もが〈ちょっと無理なのでは?〉といった空気を醸し出してもいました。
しかしながら、そんな空気を感じ取ったのか、
「おい。漫画雑誌じゃなくてよ、何でもありのお笑い雑誌にするか!」
と、軌道修正された殿の提案を受け、諸々思案した結果、ネット媒体に変更し、構想1年、ようやく形になった次第です。で、現在も殿のKGBにかける想いはいささかも衰えず、週2日程、殿とお会いしているのですが、交わす会話の9割が、「お笑いKGB」のネタ関連となっております。
つい先日も、15時よりKGBとは何の関係もない、某ニュース番組の打ち合わせがあったのですが、「殿が大事な話があるから、14時には来てくれって」と、殿のマネージャーから連絡が入り、1時間前倒しで打ち合わせの場にうかがうと、殿はこちらを認めるなり、
「ちょっといいのができたからよ」
と、うれしそうにネタ帳のシンプルな大学ノートを開くと、いきなり、
「チ〇ポにも バカと利口が いるのかな?」
といった、KGBの中で絶賛展開中の「たけし川柳」の新ネタを、誇らしげに読み上げてきたのです。
その後も、まるで季語のようにチ〇ポをふんだんに使用した川柳を8つほど披露されると、
「よし、今日はそんなところか」
と、大きなひとり言を漏らし、真面目なニュース番組の打ち合わせへと移行されたのでした。チ〇ポ川柳を一刻も早く伝えたくて打ち合わせを早めた殿。いよいよ本気です。
そして、小1時間程でニュース番組の打ち合わせを終えると、“そうだ、思い出した!”といった感じでこちらに振り返ると、
「よく週刊誌の後ろのほうのページによ、カラーで、『思い出の一品』なんてつまらねーコーナーがあるだろ。『昔どこどこで食べた〇〇がやたら旨く、今でも忘れられません』とかやってるやつ。あれをパクってよ、こっちは『思い出の一発!』ってのをやるか。『昔出張で行ったススキノの路地裏で買った、立ちんぼとの汗まみれの一発が気持ちよすぎて今でも忘れられません』とか、もう最低なやつな」
と、意気揚々と新コンテンツ案を炸裂されると、
「そうだ。『思い出のうんこ』ってのもあるな!」
と、何の躊躇もなく、誇らしげにさらなる追加案を提示される、殿、いや、編集長なのでした。
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◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!