政務活動費のネコババ疑惑で、あの神戸市議が“SPEED辞職”。辞表を「郵送」するとは笑止千万だが、全国にはヒジョーシキな政治家がゴロゴロいる。バカ高い議員報酬をもらっておきながら、「第二の給料」でやりたい放題。庶民が汗水流して納めた血税を食い潰す、ハイエナ議員をローラー告発する。
〈私が議員を続けることによって、これ以上、議会の混乱を招いたり、市民の皆様にご迷惑をおかけするべきではないと、三日間熟慮を重ねた結果、この際、自ら議員の職を辞したいと考えるに至りました〉
8月28日、「ハシケン」こと橋本健元神戸市議(37)が謝罪文を発表し、その翌日には議長宛てに速達郵便で辞職願を送った。
「週刊新潮」の立て続けのスクープで、自民党の今井絵理子参院議員(33)との不貞疑惑が暴かれると、有権者の信頼を取り戻す間もなく、今度は市政報告のチラシを印刷業者に「架空発注」した疑惑が浮上。政務活動費(以下、政活費)約720万円を不正受給していたと報じられた。
「辞職が決まっても、まだ幕引きとはならないようです。実は、神戸市議会では政活費不正流用事件で他に3市議が8月に辞表を提出。橋本氏で4人目なんです。神戸市民の不信感を払拭するため、他の議員からは久元喜造市長(63)に対して、橋本市議を刑事告訴すべきだとの声が上がっています」(地元紙記者)
神戸市のずさんな政活費不正流用は、氷山の一角だった。全国の地方議員をローラー調査したところ、埼玉では「第二のハシケン」騒ぎに揺れていた。
渦中の人物は、自民党県議団に所属していた沢田力元県議(49)。11年に当選した2期目で、その手口はハシケンと似ている。
沢田氏はチラシの配布代として、11年から16年まで、政活費計約545万円を不正受給。さらに、都内の印刷会社にチラシ製作代として支払った領収書を偽造して、約700万円を懐に入れた疑いも持たれているのだ。沢田氏の不正行為を見抜いた、「狭山市民オンブズマン」の田中寿夫代表幹事がこう説明する。
「最初に疑ったのはゴム印の違いです。会社の領収書は社名の入った角印が押してあるのですが、沢田氏が提出した領収書の中には、角印ではなく個人の三文判が押してあるものが見つかりました。さらに決定的だったのは、領収書と本人の筆跡がまるっきり同じだったこと。それでチラシを印刷した会社を訪ねて聞いてみたところ、同社が発行したという領収書11枚のうち、8枚は発行していなかったことがわかり、偽造だと判明したのです」
自民党県議団の聞き取りで、「白紙の領収書に金額や氏名を書いた」と認め、7月中旬に辞職した沢田氏とはどんな人物だったのか。地元の近隣住民はこう話す。
「実家は大宮駅から徒歩5分ほどの場所にあり、約100坪の敷地に2階建の店舗兼住宅を構えた『納豆屋』でした。のちに大宮の開発一等地となり、5階建のビルにして学習塾などテナント運営を始めたのですが、ガラガラだった。中学時代はガリ勉で球技は苦手なタイプ。友達も少なくて、人を信用しない雰囲気がありましたね」
早稲田大学を卒業後、三菱商事に就職。その後、さいたま市議を3期務めてから県議になるなど、着々とステップアップしていた。
「市議選に出た時から金にはだらしなかった。後援会絡みの飲み会では、沢田氏が会計を支払う予定だったのに、いつの間にか帰っていたんです。出身の三菱商事についても『ろくでもない会社』とバカにすることも。県議になってからは自民党に所属していながら、同選挙区で民進党の枝野幸男元官房長官(53)と距離が近くて、自民党の中では浮いていました」(埼玉県政関係者)
沢田氏がダマし取ったと見られる総額は1200万円以上に上る。詐欺罪で刑事告発された今、さらなる追及が待たれる。