歌手のASKAが転売によって利益を得る「転売ヤー」に対抗する意思を示し、ファンから感謝と賞賛の声が上がっている。まずは転売について音楽ライターが解説する。
「ASKAは事件後2枚目となるアルバム「Black&White」を10月25日にリリースしました。特典CD付きの先行予約盤がすでに出ているんですが、これが大手オークションサイトに出品され、高値がつけられているんです。新品未開封の出品もありますが、これは完全に転売目的でしょう」
これにASKAは怒りを露わにし、さっそく警察に通報するなどの対抗策を打ち出したとブログで明らかにした。さらに特典としてアルバムに収録した「黄昏を待たずに」をハイレゾマスタリング(高音質に仕上げること)し、ファンに届けるつもりだという。先行予約をしてまで手に入れたファンに配慮して、ファンが先行予約までして得た最初の特典CDも十分味わえるように、少し時間をあける措置を取ることも忘れなかった。ファンの立場に立った対応だ。
「転売はアーティストにとって頭の痛い問題です。コンサートチケットであれば名前を登録するなどの対抗策もありますが、CDではそれは難しい。事実上野放しになっています。だがASKAは黙っていられなかったのでしょう」(前出・音楽誌ライター)
ASKAは事件の後、レコード会社や事務所に頼らず、すべて自分で取り仕切っており、自身を「自由」だと表現している。その自由と、自由だからこそ生まれる責任感が今回の行動につながったようだ。