意外にも水面下で繰り広げられてきたスケート連盟とマスコミの攻防。とはいえ、今回の「5000万円契約」は前途有望な真凜の囲い込みばかりではないともいう。代理店関係者によれば、
「メインの狙いは、あくまでも本田姉妹の清潔なイメージを利用した読者数の回復です。部数の低迷が続く中、読売新聞は数年前から小中学校に新聞を広げて読むためのテーブルを贈呈したり、一部で新聞の無償提供、あるいはプロスポーツの試合などに生徒を招待するなど、未成年者への地道なアピールをしてきましたからね」
今回の契約にしても、真凜の妹・望結が小2の時に「読売KODOMO新聞」のCMに起用されていたことでつながったという。CM業界関係者が話す。
「真凜ちゃんの家族は両親と姉、兄に妹2人。姉を除く4人がフィギュア競技者で、三姉妹は大手芸能プロのオスカープロモーションとも契約している。そもそも本田家が有名になったのは、三女の望結ちゃんが子役として脚光を浴びたからでした。11年のドラマ『家政婦のミタ』(日本テレビ系)や映画にもなった話題作の『コドモ警察』(東宝映像事業部)、読売が製作委員会に名を連ねる松竹120周年記念映画『母と暮せば』でも好演してます。その後もバラエティ番組などでの聡明な受け答えが話題になった。真凜ちゃんにしても最初は『望結ちゃんの姉』として注目されたものでした」
そもそも今回のアンバサダー契約も、冒頭で伝えたように三姉妹との契約である。高校1年生の真凛が読売新聞、中学1年生の望結が読売中高生新聞、小学4年生の紗来が読売KODOMO新聞の魅力をテレビCMやウェブサイトなどを通じアピールしていく。
「CM出演だけでなく、読売主催のイベントでセレモニーに参加したり、プレゼンターになったりと、1年間方々に駆り出されることとなる。すでに真凜ちゃんは日本航空やスケート連盟のメインスポンサーのロッテとも推定1000万円で契約。望結ちゃんも姉以上に多くのCMに出演しており、見方によっては、3人分で『5000万円契約』は決して高い買い物ではないと言っていいでしょう」(前出・CM業界関係者)
現在のアスリートのCM価格は、ゴルフの松山英樹(25)とテニスの錦織圭(27)がツートップで、最新相場では破格の1本1億円だという。一方で女子では浅田真央、ゴルフの宮里藍(32)が引退し、5000万円クラスさえ見当たらない。真凜が今年の日本選手権で五輪切符をつかみ、本番で表彰台となれば、久しぶりのスポドル誕生も夢でなく、可能性を秘めた逸材だからこそ注目が集まるのだ。
今後どんな演技を見せるのか、目が離せない。