今年のプロ野球界で推定年俸が1億円の大台を突破しているのは、助っ人選手も合わせてきっかり100人。はたしてその何割が、大金に見合う活躍を見せただろうか? ファンも球団もガックリと肩を落とした「絶望ナイン」を勝手に表彰しよう。
セ・リーグは06年以来11年ぶりのBクラス陥落となった巨人から、6人もの大量選出となった。
中でも“給料泥棒”の筆頭は、FA移籍1年目の山口俊(30)で異論はないだろう。7月11日深夜に泥酔して都内病院で警備員を負傷させて書類送検、球団から全試合の出場停止と罰金・減俸処分を受けている。
野球評論家の内藤尚行氏も球界OBとして憤りを隠さない。
「あまりの責任感のなさにがっかりしました。プロどうこうではなく、一社会人としてのマナーくらいは守れよ、と。普通はクビ。来年プレーできるのが不思議なくらいですよ」
罰金と減俸額を合わせて1億円を超えるペナルティが科されたが、
「罰金とかじゃないでしょ、『年俸全額返せよ!』と言いたいですよ、本当に。『球団はよく残してくれたな』と感謝して投げるくらいの気持ちを持てないものかと思います」(前出・内藤氏)
事件前にはわずか1勝しかあげられなかった山口。2億5000万円といわれる年俸は「ボッタクリ価格」と揶揄されても当然だ。
リリーフ部門では、中継ぎ投手としてはセ界最高年俸の山口鉄也(33)が、登板18試合、ホールド数3の低調で選出され、不名誉な“W山口”での受賞となった。
「彼の場合は、今まで積み重ねた分の高年俸ですが、この成績ではワーストナインに選ばれるのもしかたがない。今季は“勤続疲労の年”と割り切って、来季に期待したい」(前出・内藤氏)
内野陣は巨人と、圧倒的最下位のヤクルトから仲よく2人ずつノミネート。特に、2年連続トリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)で3億円超えを果たした山田哲人(25)は成績がガタ落ち。ヒット1本269万円という「金食い虫」に化けて球団史上最多96敗の戦犯となった。チームのOBである野球解説者の広澤克実氏が、後輩の窮状を解説する。
「去年までの山田は、内角のストレートをいちばんいいタイミングでカキーンとはね返しながら、アウトコースの変化球にも対応し、ライト方向へ強い打球を打てていた。でも今年は、外の球を打つ時に肩が開くようになり、それを我慢するから逆にインコース打ちで肩が詰まる。そういう悪循環に陥り、最後まで修正できなかった」