「今年の漢字」が「北」に決まった。その理由にもあげられたキタサンブラックが、有馬記念でラストランを迎える。7度目のGI制覇で、有終の美を飾れるか──。最後の大一番を前に、オーナーで演歌歌手の北島三郎が、現役屈指の人気ホースとの秘蔵エピソードを明かした。
「キタサンブラックとの出会いは、北海道の日高でした。施設が整った大牧場で生まれた超良血馬もいいけれど、たとえ小さな牧場でも、みんな我が子のように手塩にかけて仔馬たちを育てています。長年そうした姿を見てきたこともあって、私はずっと顔なじみの牧場で馬を買い続けているんです。購入の決め手は、黒々としてキリッとした眼。昔、元騎手の加賀武見さんに『馬は眼が良くなくちゃいけない』と言われたのをずっと覚えていて、『これだ!』って。ほとんど直感ですよ」
インタビューでは、こんな劇的な出会いから、GI制覇までの道のり、そしてラストランとなる有馬記念への思いを語りつくした北島。競走馬のオーナーになって50年以上になるが、
「私は所有している馬はすべて自分の子供だと思っています。歌手を目指して上京して、デビューしたのが昭和37年。『なみだ船』がヒットして、それからしばらくして初めて買った馬に、自分の息子と同じ『リュウ』と名づけたくらいですから」
そんな北島にとって、現在GIで6勝をあげているキタサンブラックは「神様からの贈り物」。12月24日の「有馬記念」で競走馬としては現役を終えるが、それは同時に種牡馬としてのスタートだ、とも語った。
自身の新曲「男の夢」の歌詞にある「夢を追いかけ俺は行く 人生試練の男道」という一節になぞらえて、
「日々修業の歌手に完成というゴールはない」
とも語っていた北島。馬への愛にあふれたロングインタビューの全文は、12月19日発売の週刊アサヒ芸能12月28日号に掲載されている。競馬ファンならずとも必読の記事になっていることは間違いない。