2月5日に訃報が伝えられた元フジテレビアナウンサーの有賀さつきさんを巡って、古巣のフジテレビが揉めているという。自局の元アナに関わるニュースとあって何が何でも他局を出し抜こうとする取材姿勢に、局内からもブーイングがあがっているというのだ。
「もっとも問題視されているのは、フジテレビの取材陣が有賀さんの入院していた病室に突撃しようとしていたこと。今や主なき病室を取材するのは品のない野次馬根性でしかなく、元同僚に対する愛情のカケラも感じられません。一部の心ある元局員からは、そういった報道姿勢を糾弾する声もあがっています」(テレビ業界関係者)
有賀さんが入社した1988年はバブル景気の真っ最中で、採用数も30人程度の現在よりもはるかに多かった。それらのバブル入社組は近年の業績低下に伴って系列会社に移ったり、独立を果たすなど、今では第三者の視点でフジテレビを見ている者も少なくない。あるフジテレビOBがしみじみ語る。
「有賀さんの件では仲間からいろんな声が伝わってきますが、フジテレビの報道姿勢については『同僚の死をさらし者にするな!』と言いたいですね。フジとしては同期だったフリーアナウンサーの八木亜希子さんにもっと詳しく話を聞くとか、現在の日馬富士暴行問題とは別として、やはり同期アナだった花田(旧姓・河野)景子さんに有賀さんとの思い出についてインタビューするとか、そして前夫で元フジテレビ解説委員の和田圭氏から談話をとるのも可能なはず。すでに和田氏を囲い込んでいるそうですし、有賀さんの周辺を取材すれば、もっと独自の厚みのある報道ができるはずです。それこそ過去の映像資産は使い放題ですから、A級ライセンスを持っていた有賀さんがF1番組に関わっていた当時の貴重な映像もすぐに発掘できますよ。そういった地味ながら丹念な作業を後回しにし、病室に突撃とは…。わが古巣ながら、なぜ業績が落ちているのかを示しているようで、残念でなりません」
在りし日の有賀さんを知る同僚たちにすれば、彼女の死を悼むことのできるような番組作りが期待されているのは間違いないところだろう。
(金田麻有)