芸能

マシンガンズ「結論なんですけど、みんな芸人が好きなんですよね」/テリー伊藤対談(2)

テリー ネタはどっちが考えるの?

西堀 2人ですね。OLの給湯室みたいに、2人で集まって、「あいつ嫌だね」って言って。

滝沢 さっきもコーヒーショップで持ち寄った不満を言って、「あ、それ、わかるわ」ってなったらメモしてました。

テリー 基本的には不満?

滝沢 不満ですね。

西堀 仕事行って、腹立ったことをメモっといて、それを漫才にして発散してるんです。

滝沢 だからもう「嫌なこと起これ」って思います。

テリー でもさ、これからどんどん売れて、億の収入になって、ハイヤーの迎えでテレビ局に入ってさ、スタッフに「マシンガンズさん、こちらです」なんて言われたら、そういうネタってどうなっちゃうの?

西堀 もっとお金が入ってきたら芸風変わるでしょうね。やっぱり「ほんとに貧乏人って邪魔だよな」とか言ってると思います。「俺の方が税金多く払ってるんだから道あけろよ」とか。

テリー 俺さ、(ビート)たけしさんとずっと仕事してたでしょう。あの人、敵を作る天才なんだよね。例えば「an・an」の表紙に「これからはショート(カット)だ」って書いてあるじゃない。そうすると、「ふざけんな、ショートなんかどこがいいんだよ」とか言うんだよ。別にそんなこと言う必要ないのに。

滝沢 敵がいると怒りのパワーが湧くんですかね。

テリー そうなの。本人がいちばん金持ってるし、幸せなのに「ふざけんじゃねえ」って。俺、「ふざけてるのはお前だよ」っていつも思ってたんだけど。

西堀 アハハハハ。でも、たけしさんもそういう感じだったんですね。

滝沢 上を見たら金持ちなんかいくらでもいますもんね。IT企業の社長とかは叩いてるかもしれないですね。

テリー でも、芸人さんって近くで見てると面白いよね。この前、西堀さんは「芸人という病」って本を出したでしょう。

西堀 はい。ずっとYouTube(「西堀ウォーカーチャンネル」)で僕の周りの売れてない芸人を、ドキュメンタリーみたいに撮ってたんですよ。主に事務所の後輩なんですけど。そしたら、それを「面白い」っていう人が出てきて、出版社から「本にしませんか」って声をかけてもらって。それで改めてそいつらに取材したんですけど、その時に単純に「みんな売れてないのに、何で芸人続けてるんだろう」って疑問に思ったんですよ。

テリー そんなに貧乏しなくても、もっと稼げる仕事がたくさんあるのにね。

西堀 でも、結論なんですけど、みんな芸人が好きなんですよね。芸をやりたいというより、芸人でいることを望んでるんですよ。だから、「芸人って職業じゃなくて、生き方みたいだな」と、最後思っちゃって。

テリー みんなひどいアパートに住んでね。

西堀 底辺みたいな奴らなんですよ。だけど、みんな「芸人でいたい」って言ってて、それが「病気に罹かかってるみたいだな」と。

テリー でも、読ませてもらうと、不思議とうらやましくも感じるよね。

西堀 あ、それ出版社の人も言ってました。例えば土木作業に行って、日給1万円もらって、次の日朝昼晩食って、酒飲んで帰る頃には300円しか持ってないみたいな奴がいるんですけど、すごく楽しそうなんですよ。「別に貧乏だからって、全部がツラいわけじゃないぞ」っていう。

テリー ほんとだね。でも、みんな病院は行ってるの? 健康診断とかさ。

西堀 いや、行ってないですね。そんな金があったら全部飲んじゃう。みんな実に気持ちのいい生き方をしてますよね(笑)。

ゲスト:マシンガンズ 滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)1976年、東京都生まれ。西堀亮(にしほり・りょう)1974年、北海道生まれ。池袋のカルチャースクールで出会った2人が意気投合し、1998年にコンビ結成。「爆笑レッドカーペット」(フジテレビ系)などに出演し、人気に。2007年から2年連続で「M-1グランプリ」(テレビ朝日系)準決勝進出。今年5月、「THE SE COND ~漫才トーナメント~」(フジ系)で準優勝し、再び注目を集める。滝沢は「このゴミは収集できません」(角川文庫)ほか著書多数。西堀の初の著書「芸人という病」(双葉社)が発売中。

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