本塁打50本と盗塁50を同時に実現する、前人未踏の「50-50」に挑戦しているドジャースの大谷翔平。
現在44本の本塁打更新が期待された、古巣エンゼルスへの本拠地へ乗り込んでの2連戦では残念ながら一発は出ないまま。特に日本時間9月5日の第2戦は、チームは10-1で惨敗。大谷は4打数無安打だった。
大谷の打撃は少し湿りつつあるのか。5日放送の「ゴゴスマ -GO GO!Smile!-」(TBS系)にリモート出演した野球評論家のデーブ大久保氏は、50盗塁は出場していれば達成できると断言し、打点は犠牲フライなどで増やせるなどとしながら、自力で何とかしなければいけない「ホームランが一番難しい」と話した。
とはいえ、5日の試合は点差が開いていたため、エンゼルスの投手がプレッシャーを受けずノビノビと投げていたことで、本塁打を打つことは難しかったと解説。総評的には「50本はいける」という評価だった。しかし、野球記者はこう話す。
「大久保氏は周囲の外国人投手に聞いた内容を話していましたが、やはり大谷に意地でも50本塁打は打たせたくないという気持ちを持っているようですね。あえて逃げることはないと話してはいましたが、ネット上で熱心な野球ファンが議論しているように、プレーオフと無縁となったチームとの接戦になった場合は、申告敬遠が増えるのではないかという懸念は当然持ち上がっています」
また、なかなか取り沙汰されないが、ここ数週間の大谷の打撃に「不安」を唱える声が実はある。メジャーに詳しい野球ライターが話す。
「40-40を達成した8月24日(日本時間)の劇的なサヨナラ満塁弾の40号から、41、42、43号がすべて、外野手がジャンプするようなスタンドギリギリの本塁打でした。これは実に大谷らしくない。44号こそバックスクリーン付近へ飛び込みましたが、これもギリギリといえばそうでした。それまでの『確信歩き』ではないですが、外野手が一歩も動かない会心の打撃が激減している。ボールをすくい上げてスタンドへ運ぶ、まるで現役時代の落合博満氏がよく見せた〝技あり〟本塁打ばかりなのです。つまり、一発が欲しくてポイントが前になっていることが顕著なわけですが、それでスタンドに届くのを凄いと言うべきか、あきらかに本塁打狙いで打撃フォームが崩れていることを不安に感じるべきか。どちらを重要視するかで、この9月の大谷への期待値は変わるでしょう」
50-50へ残りは22試合。あと6本は十分に可能なのか、それとも高いハードルなのか。ファンやメディアは毎試合、気が気ではないに違いない。
(北山陽向)