「東京さくらトラム」の愛称で親しまれる都電荒川線はレトロな雰囲気を持ち、映えると評判の被写体だ。
沿線にバラが咲く荒川遊園地前停留所や三ノ輪橋、町屋駅前は人気の撮影スポット。バラと車両をからめて撮るのが定番だ。
他にも撮影地点は多いが、その中でも特にイイのが王子と飛鳥山の間。ここは都電荒川線の中で唯一、自動車と同じ道路を走る区間なのである。明治通りにかかる陸橋の上から撮影すると、道路を走る様子がよくわかる。
普通に撮っても十分に映える写真が撮れるのだが、あるポイントにこだわれば、よりいい写真になると、鉄道カメラマンは言う。そのポイントは車両にあった。
「都電荒川線は5つの形式の車両が運用されています。中でも注目は8500形(写真)で、1990年から1993年にかけて5両が製造されました。白地に緑の帯のレトロ感あふれる塗色で、ひときわ映えると思います。あるいは、昭和初期の東京市電をモチーフにしたレトロ車両の9000形もいい。こちらは2両あり、イベントに運用されることが多い。内装もレトロ調なので、乗ってみることをお勧めします」
これらの車両に出会うには、都電の運行情報サービスを使うといいと、先の鉄道カメラマンが解説する。
「東京都交通局の都電運行情報サービスには車両検索があり、形式や号車、ラッピングの種類で車両を指定し、今どこを走っているのかわかるようになっています。これを使えば、簡単に遭遇することができますよ」
自分だけの特別な1枚を撮影してほしい。
(海野久泰)