暑さで突然めまいがする─。
「めまい」の症状は脳や内耳に血液が十分に行き渡らないことで引き起こされることが多い。かつては秋から冬にかけての血流が悪くなりがちな時期に発症しやすかったが、暑い夏の時期も増加傾向にあるという。特に夏場のめまいは、脱水症、夏バテ、熱中症が原因となることが多い。
まず脱水症。これは体内の水分が足りない状態。暑くてたくさんの汗をかくことで体が脱水症状になるのだ。これが原因で血の巡りが悪くなり、「めまい」を引き起こす。激しいスポーツなどをしなくても、残暑が厳しい日中では、汗をかくのでこまめな水分補給が必要だ。
次は夏バテ。これは、暑さで体のだるさ、食欲不振などといった体調不良の状態。食欲が低下すれば栄養バランスが乱れ、冷たい飲み物ばかりを飲んでいると、体の内部が冷え、消化・吸収機能の低下や下痢を引き起こす。下痢は体内の水分を失わせるので「めまい」を発症しやすくなる。
熱中症は、体内の水分や塩分が不足することで発症するため、水分補給を心がけたい。
他にも睡眠不足などで、自律神経が乱れてしまうことも「めまい」の原因となる。
熱中症や夏バテ対策が、夏特有の「めまい」の対策につながる。まずは、こまめな水分補給。外出時も水筒やペットボトルを持参し、のどの渇きを感じる前に水分をこまめに摂取したい。利尿作用のあるカフェイン、のどの渇きにつながりやすい糖分摂取も避けたいところだ。
生活環境の見直しも有効だ。エアコンの適切な利用の他に、通気性の高い衣類の着用、ネッククーラーや小型扇風機といった暑さ対策グッズの使用も効果的だ。
田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。