10敗1分――。選手にとってもファンにとっても不名誉な記録が刻まれた。なんと29年ぶりの屈辱だという。「相手本拠地でのシーズン未勝利」がそれだ。
9月5日の阪神戦は、中日にとって甲子園球場での今季最終戦だった。これに1-2で敗れると、試合後に立浪和義監督以下、選手や首脳陣がグラウンドからレフトスタンドに向けて一礼したのだが、ドラゴンズファンは怒り心頭だ。「立浪辞めろ」がたちまちSNSのトレンド入りし、地元名古屋のファンが「立浪辞めろ~」「ビシエドを(1軍に)上げろ!」と強烈な批判を繰り返す動画が即座にアップされた。
打線が阪神を上回る11安打を放ちながら1点しか奪えなかったことについて、立浪監督は、
「自分の責任でもある。甲子園でひとつも勝てなかったことで、ファンの方に本当に申し訳ない」
そう反省を口にしたが、名古屋では早くも「勝手に退陣カウントダウン」が始まっている。中日生え抜きOBのひとりは立浪采配について、
「最初は人気青年監督が仕切るので応援ムードだったけど、3年やっても結果が出なければ辞めるのがこの世界の常。OB界隈では『契約が残っていても、立浪はユニフォームを脱いだ方がいい』という声が日増しに強くなっている」
地元経済界も阿吽の呼吸でソッポを向くのは時間の問題。今シーズンオフは監督人事に火がつくこと必至だろう。