群馬県草津町の黒岩信忠町長からの性被害を訴えた元女性町議が、前橋地裁での本人尋問で、電子書籍で記されたような町長との肉体関係はなく、性被害を訴えた記者会見の内容も虚偽であったことを初めて認めたと、上毛新聞が報じた。
黒岩町長は月刊「正論」2月号に、次のような手記を寄せている。
〈発端は私が白昼の町長室で、女性町議と肉体関係を持ったとする虚偽内容の電子書籍が出版されたことでした。女性町議の主張はやがて私に『レイプされた』に変わり、事実無根の冤罪がかけられてしまったのです。私はもちろん他の町議も町民も疑惑を払拭しようと力を尽くしましたが、今度はこれが、フェミニストや女性学を奉じる大学教授らによって『女性の勇気ある告発を封じるのは人権侵害である』『セカンドレイプの町、草津』などと批判されました〉
そしてライターの男と元町議の女らに対し、4400万円の損害賠償を求めて提訴したのだった。だが、元町議が虚偽だったと認めたにもかかわらず、これを報道したのは上毛新聞だけだった。
この問題について、社民党の大椿ゆうこ副党首は、こんな投稿を行った。
〈セクハラで刑事告訴された朴元淳ソウル市長が自死したと知った時、日本にはセクハラで訴えられたからといって自死するような男性はいないのではないかと思った〉
まるで草津町長の自殺を促すかのような言いっぷりである。
朝日新聞は以前、〈元町議のリコール、欧米メディア注目、日本の男性支配浮き彫り〉(2020年12月19日電子版)などと報じた。記事では欧米メディアもこの問題に関心を持ち、〈日本では性被害を打ち明けにくいこと、政治の場に女性が少ないことに着目している〉と伝えている。
さらに、元町議のリコールが2020年12月に成立したことについて、朝日新聞の担当記者は〈公人によるリコール主導は行き過ぎだ。多数派が、意に沿わない者を『排除』したように見えた〉と、黒岩町長らを批判した。女性の証言が虚偽だった以上、大椿氏や朝日新聞は何の対応もせずスルーしていいのか。同じく町長を非難したフェミニストや大学教授らも、ダンマリを決め込んでいるが…。
(喜多長夫/政治ジャーナリスト)