元SMAPの3人が「クソ野郎と美しき世界」と題する新作映画で船出を飾る一方で、政界では「安倍親衛隊」の面々が金魚のフンよろしく国民感情を逆ナデし続けている。茶番劇に終わった「アベ森友国会」で高笑いを浮かべた8人の「クソ野郎」を徹底追及。怒髪天レポートを忖度なしでお届けしよう。
「その点に関しましては、刑事訴追のおそれがありますので、証言を控えさせていただきます」
3月27日に衆参両院で行われた佐川宣寿前国税庁長官(60)の証人喚問で、佐川氏は17人の質問者に対してぬけぬけとそう繰り返し、真相解明を拒んだ。その回数は約50回に及び、中継を見ていた国民の大半は、「またそれか」と怒り心頭に発したことだろう。
この「茶番喚問」における佐川氏の答弁をタテに、自民党サイドは事態の収束をもくろんでいる。同日には、党の重鎮である二階俊博幹事長(79)が、
「安倍総理をはじめ、政治家がどういう関わりあいを持っておったか、一つの焦点だったと思うが、幸いにしてなかったことが明白になった」
と、あろうことか一方的に「アベ森友問題」の決着を宣言した。ウヤムヤなままコトを済まそうとする自民党の姿勢を、「日本会議の研究」(扶桑社新書)の著者・菅野完氏は断罪する。
「過去のロッキード事件やリクルート事件では、党が不利になる場合でも、自民党は証人に対してしっかりと追及してきた。白は白、黒は黒とはっきりさせなければ、信頼の回復にはつながらないからです。ですが、今回ばかりは本当にやる気がなかったとしか思えない。私は傍聴席で見ていましたが、中継に映り込まない自民党議員は寝ていましたよ。午後から行われた衆院での喚問は特にひどくて、居眠り、あくび、貧乏ゆすりのオンパレード。参院でほとんど終わったと思っていたのでしょう」
森友疑惑の元凶であり、ひたすら逃げの姿勢で国民をあざ笑う「クソ野郎」の親玉、安倍晋三総理(63)が絡む前代未聞の大事件。真相究明の場に臨む態度ではない。“安倍シンパ”は予定調和的な勝利を確信していたということだろう。
「まず糾弾されるべきは、今回の主役であった佐川氏だろう」
とは、政治部記者の談。公文書改ざんを「理財局だけで処理した」という一点突破で押し通した。
先の菅野氏も、佐川氏の答弁について「みごとな詰め腹の切り方」と、皮肉を込めて「称賛」する。
「質問者に対して如実に怒りをあらわにする場面もありましたが、答弁の内容とロジックは完璧。厳しい質問を飛ばす“介錯人”を自民党が添えてあげずに、生殺しになっているところがかわいそうだとすら思います。ですが、仮に公文書変造の罪で起訴・逮捕されても“偉い人”の手引きで、その後の再就職は引く手あまたなんじゃないですか」
真相を隠蔽する役人はブタ箱へ放り込め──。国民からはこんな意見が出てもおかしくないが、ある法曹関係者はこう推察する。
「(佐川氏は)罪に問われないとタカをくくっているのでは?」
17年にわたり国会議員の政策秘書を務めた作家の朝倉秀雄氏も、佐川氏の逮捕について否定的だ。
「『公文書変造罪』とは、『記載されるAの事実をBの事実に変える』こと。今回の改ざんは基本的に、『Aの記載を消す』作業ですので、微妙に合致しない。ありもしない事実を書き入れたわけではないから『虚偽公文書作成罪』にも問えない。公判を維持できるだけの材料がなければ、検察も起訴には持ち込みません。政治マターのデリケートな案件で、無罪ともなれば担当者のクビが確実に飛びますから」
とはいえ、このまま「逃げ得」が許されていいはずがない。