「その点に関しましては、刑事訴追の恐れがありますので、証言を控えさせていただきます」
3月27日に衆参両院で行われた佐川宣寿前国税庁長官(60)の証人喚問で、佐川氏は17人の質問者に対して何度もそう繰り返した。中継を見ていた国民の大半は、「またそれか」と辟易したことだろう。
「まず糾弾されるべきは、今回の主役であった佐川氏だろう」
とは、政治部記者の談。
真相を隠蔽する役人はブタ箱へ放り込め──国民からはそんな意見が出てもおかしくないが、ある法曹関係者はこう推察する。
「(佐川氏は)罪に問われないと高をくくっているのでは?」
17年にわたり国会議員の政策秘書を務めた作家の朝倉秀雄氏も佐川氏の逮捕について否定的だ。
「『公文書変造罪』とは、『記載されるAの事実をBの事実に変える』こと。今回の改ざんは基本的に、『Aの記載を消す』作業ですので、微妙に合致しない。ありもしない事実を書き入れたわけではないから『虚偽公文書作成罪』にも問えない。公判を維持できるだけの材料がなければ、検察も起訴には持ち込みません。政治マターのデリケートな案件で、無罪ともなれば担当者のクビが確実に飛びますから」
佐川氏の「茶番答弁」をタテに事態の収束をもくろむ自民党。同日には、党の重鎮である幹事長の二階俊博氏(79)が、
「安倍晋三首相をはじめ、政治家がどういうかかわりあいを持っておったか、一つの焦点だったと思うが、幸いにしてなかったことが明白になった」
と、一方的に「アベ森友問題」の決着を宣言した。4月3日発売の「週刊アサヒ芸能」では、二階氏をはじめとした「安倍親衛隊」たちを徹底追及。忖度パフォーマンスのウラに隠された、それぞれの策略を詳細にレポートしている。