平昌五輪で2個の金メダルに輝いた女子スピードスケートの高木菜那が、4月14日のプロ野球「巨人vs広島」にて始球式を務めた。高木はセットポジションから華麗な投球フォームでノーバン投球を見せ、東京ドームを沸かせた。始球式を終えた高木は「あんなに練習したのに、一発本番は難しいんだな」と語りつつ、「自分が活躍して戻って来られるようにしたいです」とスケートでのさらなる活躍を誓っていた。
その姿には野球ファンからも「菜那ちゃん可愛い!」「投球が速かった!」などと好意的な声が多く飛んでいたが、その始球式シーンに対して「これはメジャーリーグでは有り得ない!」と驚く声もあったという。アメリカのスポーツ事情に詳しいスポーツライターが語る。
「高木は緑色のユニフォームを着用。これは彼女が所属する日本電産サンキョーのロゴにも使われている同社のCIカラーですね。そして胸には主催チームの『GIANTS』、そして『日本電産』の社名が大きく印字されていました。日本人の感覚では巨人に敬意を示しつつ、所属企業もアピールしたものとして違和感はないのですが、メジャーリーグではこのユニフォームを着ることは考えられません。なぜならアメリカのプロスポーツでは公式スポンサーから得られる契約金が大きな収入源となっており、スポンサー以外の企業名をでかでかとユニフォームに書くことなど許されないからです」
もちろん日本とアメリカではプロスポーツの契約事情は異なるが、それにしても今回の高木のユニフォームは特別版だったという。
「高木は3月30日にも札幌ドームで行われた日本ハムvs西武の始球式に登板。この時は上半身は日本ハムのユニフォームを着用し、ボトムとキャップに日本電産サンキョーのロゴを入れていました。それが今回の巨人戦ではわざわざオリジナルのユニフォームを作ってきたのですから、アピール度はより高かったはず。所属先の日本電産サンキョーもホクホクだったでしょうね」(前出・スポーツライター)
次の始球式ではどんなユニフォームを着てくれるのか。そんな予想ができるのも、メジャーリーグ流の制限がない日本プロ野球ならではの楽しみだと言えそうだ。
(金田麻有)