昨年の3月場所の稀勢の里以来、日本出身力士の優勝はなく、白鵬や引退した日馬富士の他にも、栃ノ心と、新たな外国人力士の台頭も目立った大相撲。まもなく五月場所が始まるが、前途有為だった外国人といえば、エジプト出身の幕下力士・大砂嵐だったろう。周知のように無免許運転で略式起訴され、今年3月9日に引退勧告を受け入れる形で角界を去ったことは、まだ記憶に新しい。大砂嵐は今年1月に長野県内で無免許運転のうえ追突事故を起こしていたのだが、相撲協会は内規で現役力士の運転を禁じているうえ、同協会による3度に渡る聞き取りに対し「妻が運転していた」などと虚偽の報告をしていた。
そんな事件を起こした大砂嵐が、テレビに断髪したスキンヘッドにヒゲを蓄えた姿で出演したのは3月31日。同日深夜放送の生番組「オールスター後夜祭」(TBS系)の「ガチ相撲トーナメント」だが、みごと優勝。コメントを求められた大砂嵐は「やっぱり最近いろいろあって、いろいろあったよ…日本のみなさん、お相撲ファンのみなさん、申し訳ありませんでした」と謝罪。MCの有吉弘行から「今日はタクシーチケット出しますから」と騒動を想起させるイジられ方をすると「まだ相撲はいちばん好きなスポーツなので、みなさんよろしくお願いします」と1度は顔をくしゃりとさせるもすぐに笑顔となって挨拶した。
「相撲トーナメントではタレントのボビー・オロゴンとの対戦があり、ボビーから『オマエ、バカジャネェノ?』と言われていましたが、視聴者の誰もがボビーと同じ気持ちだったのでは。ネット上では『どこで謝罪してるんだ?』『テレビに出ていいの?』など、かなりざわついていたようです」(テレビ誌ライター)
角界をクビになり、たった23日後に「ガチ相撲」を見せた大砂嵐。その後の動向は伝わってこないが、相撲が注目される時期だけに、あの独特の雰囲気と相まって気になるところだ。