5月22日に日本大学アメフト部の現役選手が、みずからが加害者となった危険タックル問題についての記者会見を開いた。この事件ではアメフト関係者のみならず教育関係者からも様々な意見が噴出し、教育評論家の“尾木ママ”こと尾木直樹氏も公式ブログにて翌23日、〈日大は本当に教育機関なのでしょうか?!〉と日大側の対応を厳しく批判した。だが、この投稿内容に対して「会見の内容を理解していないのでは?」との批判が寄せられているようだ。
「尾木ママはこの会見について《大学部活の事件にも関わらず ・体育局 ・学生部 教員や職員が誰一人として同席しない》と批判。どうやら尾木ママは日大が選手一人を会見の矢面に立たせたと勘違いしているように読めます。実際には本会見に日大はいっさい関与しておらず、選手が真実を明らかにする目的で自分の意志により開いたものです。会見の冒頭、代理人の弁護士が、選手が会見を開くことを日大に通告していたと明かしていましたが、これも日大からの干渉を受けないよう事前に釘を刺したものです。ここを理解していない批判は的外れと言わざるを得ません」(スポーツライター)
さらに尾木ママは〈会見会場が外の日本記者クラブ〉で、〈弁護士に特別に同席してもらってとは〉と、まるで、日大内部で、日大の職員と一緒に会見するべきだったとも受け取れる書き方で、会見場の選定や弁護士の同席についても批判。しかしこれらについても選手側が望んだものであり、日大の意思はまったく関係ないことは会見を見ていれば誰にでも明らかなはずだ。
「しかも尾木ママは《井上コーチだけでなく 高校時代の監督さん?の現コーチも含めて》と書いていますが、会見では選手がみずから『井上コーチ=高校時代の監督』であることを明言しています。もはや尾木ママが会見の内容をロクに把握せず、反射的に言いたいことをブチまけているだけなのは明らか。教育評論家の肩書を標榜するのであれば、せめて事実関係だけはきちんと把握すべきでしょう」(前出・スポーツライター)
このように不備だらけの尾木ママブログ。だが、もちろん、これらの言葉は本件に対する義憤から出たもので、会見で「真実」を語った学生を応援する気持ちの表れであることは間違いないところだろう。
(金田麻有)