社会

寿命を縮める「危ない外食」最新版(4)中国・ベトナム経由の業務用カレーは「工業製品」

 さて、1週間の激務も終わり、今日は日曜日。たまの休みくらい家でゴロゴロ過ごしたいものだが、そうもいかない。妻と長女に付き添って近所の大型スーパーで買い物。その後はファミリーレストランで夕食、というのが定番の家族サービスコースだ。

 レストランでAさんは、ホッケ定食を食べることに。妻はプリプリのエビが載った海鮮丼、長女はビーフカレーを注文することに。この選択に、小若氏は再び顔をしかめた。

「よく背骨がスッと取れないホッケがありますが、あれは注射器で骨に調味料が注入されているから。つまり、さきほど説明した肉だけでなく魚にもインジェクション処理が行われ、かさを増しているんです」

 エビがプリプリなのは必ずしも鮮度がいいわけではなく、保水効果のある重合リン酸塩を用いてエビを水で満たしているから。その分だけ重量も体積も増えるので、これもかさ増しできる。

「さらに塩や酒、化学調味料をエビに染み込ませているため、味もいい。つまり、プリプリした食感があり味がいい、と感じるエビにはそんなカラクリがあるのです」(小若氏)

 リン酸塩は胃腸で吸収されずそのまま排出されるため、毒性はないとされるが、

「ただし、リン酸塩は胃の中でミネラルと結合し、そのままミネラルも一緒に排出するので、体をミネラル不足にしてしまうんです」(小若氏)

 無害と認められている以上、使用量の制限がないため、ありとあらゆる食品に使われ、結果、多くの現代人はミネラル不足を招いている、と小若氏は指摘する。

 さらには──。

「実は業務用カレーに入っているニンジンは人件費の安い中国やベトナムでカットし、それを下ゆでしたあとに冷凍して輸入しています。それをそのままカレーに入れるなら、まだ栄養素の損失は少ない。ところが解凍して水洗いするため、ニンジンの細胞膜は解凍時に全て潰れ、水溶性の栄養成分もまるごと洗い流されてしまうんです」(小若氏)

 そんな成分が抜かれたカスカスのニンジンを使う理由は、加熱してもニンジンが溶けず、形が残るからだ。小若氏は憤る。

「こうした過程を経ることでミネラルが減少し、本来、野菜や肉の栄養成分がたっぷりという家庭のカレーとは似ても似つかぬ『工業製品』のようなカレーが出来上がる。ミネラルの不足はうつ病や睡眠障害、認知症といった病気発症のリスクがあるとされ、そこが最大の問題なのです」

 ともあれ、メインディッシュを食べ終え、おなかもいっぱいのAさん一家。

「パパ、エビがプリプリでおいしかったわ」

「うん。ホッケもいい味だったなぁ」

「私もここのカレー、具が大きくて大好き!」

 そして3人でドリンクバーへ。Aさん夫妻はコーヒー、そろそろ体形が気になり始めた長女はノンカロリーのコーラを手に取り、席へと戻る。実はこのゼロカロリーという飲料水にもウラがある、と力説するのが、「長生きしたければ、原材料表示を確認しなさい!」(ビジネス社)の著者で食品評論家の小薮浩二郎氏だ。

「ゼロカロリーコーラの原材料はカラメル色素、甘味料(アスパルテーム)、スクラロース、カフェイン、香料ですが、ではこのうち、添加物はどれか。答えは『全て』。つまり、ゼロとはうたっているものの、正しくは『添加物100%飲料』と言うべきなんです。昨今は消費者の健康志向の高まりから『カロリーゼロ』『糖質ゼロ』を売りにする機能性食品が増えていますが、こうした商品は、カロリーがないのに甘さを感じられる添加物を砂糖の代わりに使っているだけ。消費者はダマされているんです」

 小薮氏いわく、カロリーゼロのチョコレートも同様で、

「現代人はカロリーゼロという甘い言葉に惑わされて、よけいな添加物を口にしている。それだったら、砂糖のほうがよほど安全です」

カテゴリー: 社会   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
上原浩治の言う通りだった!「佐々木朗希メジャーではダメ」な大荒れ投球と降板後の態度
2
フジテレビ第三者委員会の「ヒアリングを拒否」した「中居正広と懇意のタレントU氏」の素性
3
3連覇どころかまさかのJ2転落が!ヴィッセル神戸の「目玉補強失敗」悲しい舞台裏
4
巨人「甲斐拓也にあって大城卓三にないもの」高木豊がズバリ指摘した「投手へのリアクション」
5
ミャンマー震源から1000キロのバンコクで「高層ビル倒壊」どのタワマンが崩れるかは運次第という「長周期地震動」