開催中の全仏オープンの1回戦でみごとストレート勝ちし、2回戦に進出した大坂なおみ。大会直前まで、まさに“淡々と”といった調子で、調整していたという。
4大大会の一つともなれば、緊張するはず。まして、大坂は前週のイタリア国際大会で初戦敗退の屈辱も味わっている。パリバ・オープンで優勝して以来、周囲の期待も高まっているだけにプレッシャーを感じてもおかしくはないのだが…。
「イタリア国際で敗れた後、『(相手が)世界1位で、クレーコートの経験が豊富なので(完敗にも)それほどがっかりはしていない』と笑っていました。敗戦ショックを引きずらないのは良いことですが、本当に淡々としている」(専門誌記者)
大坂は「反省しないこと」を人生訓としている。過去について、あまり考えないようにしているとの意味だが、「将来」という曖昧な目標も立てないそうだ。直近の目標、つまり、次の試合とその次の試合のことしか考えないほうが「うまくいく」というわけだ。
「イタリア国際で対戦したシモナ・ハレプに対し、まったくよいところがありませんでした。気にしていたら、クレーコートの全仏オープンに臨む前に、悲観的な発想になってしまいます」(前出・専門誌記者)
ノーテンキな気もするが、メジャーリーグで成功した大谷翔平も「ゆとり世代」と呼ばれる年齢だ。大谷たちの世代は、好きなことに集中するという環境で育った。一般的なゆとり世代の自己チューな言動は納得できないが、大坂の「あえて反省しない考え方」を知ると、ゆとり世代も悪い話ばかりではないようだ。
(スポーツライター・飯山満)