ワールドカップ・ロシア大会を戦う日本代表の23名が決定したのは5月31日。本田、香川、岡崎、長友…。ホサれていたベテランたちは呼び戻され、サプライズはなかったが、日本サッカー協会はある時期から「やっぱり、本田」の方針を固めていたようだ。それも、ハリルホジッチ監督の解任が発表される前から…。
「NHKが本田圭佑の特集番組を放送しました。放送は5月14日、その番組告知が始まったのが5月4日。NHKが慌てて番組ホームページに追記文を加えましたが、問題は番組予告よりも内容です」(スポーツ紙記者)
一時期、日本代表から外された。メキシコリーグへの都落ち。そんな状況が語られた。NHKが追記したのは、「ハリルホジッチ監督の舞台裏」なる文言が告知にあり、「この件について質問したのではない」と断りを入れたこと。しかし、不可解だったのは番組内で語られた本田のコメント。本田は「ハリルのやるサッカーにすべてを服従して選ばれていく、そのことのほうがボクは恥ずかしいと思っているので。自分を貫いたという自分に誇りは持っています」と、代表落ちについて強気に言い切ったのだ。
「ハリルの解任が発表されたのは4月9日。番組が収録されたのは、それ以前。本田がここまで強気な発言をしたということは、解任の流れを知っていたのではないか?」(専門誌記者)
W杯本番前の最後の国際試合となった5月30日のガーナ戦で、本田はスタメンで起用された。協会はハリルの解任と同時に「本田を中心で」の方針を決めていたようだ。でなければ、ここまで強気な発言の放送を協会が許さなかったはずだ。本田がW杯本番で活躍できなければ、解任されたハリルがさらに噛みついてくるだろう。
(スポーツライター・飯山満)