「本田ミラン初ゴール!」1月17日付のスポーツ紙がイタリア・ACミランの本田圭佑(27)の移籍初弾を大々的に報じた。しかし、華々しい活躍の一方で、意外な「悪評」もジワジワ漏れ伝わってくるのだ。
スポーツ紙デスクが語る。
「15日の本田の初ゴールは地元紙でも1面で取り上げられ、『ピュアなテクニックと正確なパスでチームを助けられる脚』(ガゼッタ・デロ・スポルト)など出場選手の中で最高の7点(10点満点)と高い評価を得ています。相手は格下でしたが、出場2戦目で結果を残したことは、いい流れであることは間違いない」
8日の入団会見からわずか1週間、リーグ下位に低迷するチームの救世主となるみごとな速攻技だった。
現地サッカー・ジャーナリストが語る。
「入団会見では銀色に染め上げた短髪にゴルゴ13のようなサングラスという独特ないでたちにも注目が集まっていた。記者から『なぜいつもサングラスをかけているのか?』と質問されると『単なるファッションだ』と繰り返し答えていた。しかし、一部地元紙には『まるでYAKUZAのようだ』と報じられるなど辛口評価を受けている」
しかし、この「YAKUZA」報道は見かけだけでは収まらなかった。
「本田は今のところ試合後にコメントを全然出さず初ゴールを決めた2戦目も『お疲れッス』のひと言で記者をスルー。日本代表選手の中で現在、本田は唯一マスコミの取材に非対応の選手なんです。本田に腰が引けて何も言わないサッカー協会も問題ですが、ファンを大事にするイタリアでは、こうしたふるまいはかなり非常識に映るんです」(前出・デスク)
地元紙の読者ページでは、「マーケティングを優先したとしても(本田を)獲得したのは間違いだ」といった批判も上がっているという。批判の背景に、伝統ある背番号「10」がいきなり外国選手に与えられたことへの反発があるのは想像にかたくないが、マーケティングといえば、日本で発売されたミラン10番のTシャツやユニホームのレプリカはすでにバカ売れ。本田効果は絶大だという。
「中田英寿、中村俊輔、長友佑都など日本人選手が移籍すれば日本企業がスポンサーにつくことは織り込み済み。オーナーのベルルスコーニ元首相の下半身醜聞でスポンサーから金が集まらなくなったこともあり、現在、深刻な経営難に苦しむミランにとっては、前所属のCSKAモスクワとの契約が満了し、ムダな移籍金が発生しない本田はまさに金のなる木。一説には15億円もの“本田需要”が出るとも言われている。本田のミラン10番は日本代表エースとしての実力より、沈みかけた名門チームの懐事情が優先されたとさえ言えます」(前出・ジャーナリスト)
もちろん、結果が全ての世界。雑音を一蹴するゴールを決めているうちは問題ないのだが、
「イタリアはセレブをつけ回すパパラッチの語源の国だけにスター選手へのプライバシーには容赦がない。本田は妻や子供など家族については完全非公開で、昨年6月に子供を抱いて帰国した際には写真の掲載を拒否したほど。ところが、今回のイタリア行きに際しては、イタリアのマスコミに空港への到着便はおろか息子の名前まで明かされた。すでにミラノ市内の自宅も突き止められているようです」(前出・デスク)
昨日の味方は明日の敵。W杯に欠くことのできない日本のエースのゴールラッシュを願うばかりだ。