サッカーW杯ロシア大会で日本代表がコロンビアを相手に勝利し、世界中から驚きの声が上がっている。アジアの国がW杯で南米のチームに勝ったのは初めて。世界が驚くのも当然だ。日本代表の健闘と同時に、日本人サポーターの「ゴミ拾い」も話題になり、世界が称賛している。
試合後、日本人サポーターはスタジアムのゴミを拾い、その様子を外国のメディアが報じた。またSNSにもゴミ拾いの様子が投稿されている。今や日本代表サポーターの代名詞ともなったゴミ拾い。始まったのは1985年と実はかなり前のことだ。
「木村和司の『伝説のフリーキック』で知られるW杯メキシコ大会最終予選の韓国戦がきっかけでした。試合後にサポーター集団『ウルトラス・ニッポン』のメンバーは、スタジアムのゴミ拾いをしている韓国人サポーターの老女を目にしました。その姿を見て『サッカーで負けて(試合は1-2で敗戦)、サポーターとしても負けた』と感じたそうです。これ以降、ウルトラス・ニッポンのメンバーは試合後にスタジアムのゴミ拾いをするようになりました」(スポーツライター)
ゴミ拾いはウルトラスのメンバーから一般のサポーターにも広がり、97年に行われたW杯フランス大会最終予選の頃には、完全に定着。フランス大会では多くのサポーターが持参した青いゴミ袋にゴミを拾い集める姿があった。
「あの青いゴミ袋はもともとはゴミ拾い用に持っていったものではないんです。アウェー戦だと日本のサポーターが少なく、スタンドが寂しくなる。そこで青いゴミ袋を膨らませて、ボリュームを出した。それを試合後にゴミを集める時に使うようになった。一石二鳥のいいアイデアですね」(前出・スポーツライター)
サポーターの熱意と謙虚な心から生まれたゴミ拾い。それが世界中で称賛されるのは、戦績とは別に、日本人として誇らしいことだろう。