1918年にベーブ・ルースが記録した「13勝11本塁打」。100年ぶりの偉業更新に向け、二刀流・大谷翔平には大きな期待が寄せられたが、ここにきてまさかの戦線離脱。今季の2桁勝利はお預けでも「打者だけ復帰」で豪快なアーチを見せてほしい。だが、DHオオタニの復帰を妨げる「密約」の内容が足かせになっているという‥‥。
野球ファンにとってはまさかの一報だった。米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平(23)が、右肘の側副靱帯損傷のため故障者リスト(DL)に入ったのだ。少なくとも6月中は試合に出ず様子を見ることになっており、当面は「投げる、打つ」の両面で本格的プレーができない状況となっている。
二刀流で歴史的な活躍を続けていただけに、その衝撃は大きく、グラウンド外にも波紋が広がった。ロサンゼルス在住のジャーナリストがこう話す。
「5月末の時点で、エンゼルスの観客動員数は1試合平均で約3万7000人でした。これはア・リーグ15球団中2番目。ちなみに昨季は3番目で、この躍進は言うまでもなく大谷効果。もし大谷の離脱期間が長引けば、観客動員やグッズ販売にも大きく影響してくるはずです」
株式市場でも「大谷銘柄」への悪影響が表れている。大谷とスポンサー契約を結び「大谷モデル」の腕時計を販売するセイコーホールディングスは、上昇トレンドにあった株価が6月11日に値を下げた。経済誌記者が驚きを込めて解説する。
「エンゼルスとパートナー契約を結び、ベンチで選手に菓子を提供する森永製菓の株価も、DL入りが報じられた6月9日以降、急落の動きが見られた。あらためて大谷の影響の大きさを思い知らされました」
大谷の活躍を連日取り上げてきた国内メディアにとっても、DL入りは痛手だった。ワイドショースタッフが嘆息する。
「テレビ業界では熟年女性殺しと言われるほど、F3層(50歳以上の女性)の支持が高い。野球のルールは知らなくても、あのマスクに吸い寄せられるんでしょうかね。大谷を取り上げると熟年女性層の視聴率が伸びるというデータもあって、スポンサーにも好評なんです。特に最近は、和歌山の資産家男性怪死事件や新幹線殺傷事件など、血なまぐさいニュースが相次いだので、癒やされる大谷の離脱は大打撃です」