混戦のセ・パだが、12球団で唯一V争いから脱落した最弱球団が楽天だ。借金も今季最多の20にまで膨れ上がったことで、梨田昌孝監督(64)が引責辞任。しかし、この記録的な弱さは、なにも指揮官一人だけの責任ではないようである。
「実は三木谷浩史会長(53)と立花陽三社長(47)の現場介入が激しくて、選手がやる気をなくしているんですよ。正直、楽天の歴代監督でフロントからの現場介入を受けなかったのは星野さんのみです。ノムさんですら例外ではなかった。それでも梨田政権には、バックに球団副会長の星野さんがいたから『そんなことせんでええ』と現場介入を許さない流れができ上がっていました。ところが今年1月に星野さんが亡くなってしまい、三木谷会長、立花社長を止める人間がいなくなったんです。田代打撃コーチが問題を指摘して辞めた“暗黒のデーブ監督時代”に逆戻りしている」(球団関係者)
金は出さないが、口を出す──。これが楽天選手やスタッフの間でささやかれる三木谷会長に対する陰口だ。星野副会長がこの世を去り、再び降り注ぐようになった「遠隔操作」と「鶴の一声」にチーム内が戦意喪失しているのである。
「フロントの意向で、予定していたオーダーもメール1通で変更させられますからね。そもそも今季から、ともに30代の平石洋介ヘッドコーチ(38)、塩川達也戦略・内野コーチ(35)を抜擢し、世代が違う梨田監督の相談相手としては物足りない組閣になったのもフロント主導です。特に塩川コーチは立花社長にベンチの様子を伝える“スパイ”だとの噂まで立っている」(球団関係者)
交流戦2カード目最終戦では、本拠地の楽天生命パークに来場した地元ファンを無視する“暴挙”もあった。
「6月3日に、ウィーラー(31)とよく似たハクション大魔王とコラボした『ウィーラーデー』が開催されました。去年同様、ファンにグッズを配って好評だったのに、なんとスタメンにウィーラーの名前がなかったんです。6回にようやく代打で出てきたと思ったら申告敬遠されて、すぐ代走を出された。ドッチラケですよ。またフロントの介入かと、もっぱらです」(スポーツ紙デスク)
急場しのぎの策として、平石ヘッドが監督代行に就任したが、来季の見通しは暗い。こんな上層部の下、球団に諸手を挙げてやって来る次期監督などいるのだろうか。
「1人います。落合博満さん(64)ですよ。『条件さえ合えば、監督はやりますよ』と言い切って、また監督をやりたがっている。三木谷会長ともまったく知らない間柄ではないといいます。球団内では、落合さんが次期監督の有力候補に挙がっているのは事実です。ただし受諾するにあたっては、間違いなく『一切、現場介入は認めない』という条件を突きつけるはず。それを三木谷会長と立花社長がOKするかどうかが大きなポイントになるでしょう」(球団関係者)
驚天動地の楽天・落合監督誕生となれば、杜の都は大きく盛り上がること必至だ。が、はたして、三木谷会長と立花社長はチーム再生を監督の方針に従うことで満足できるだろうか。