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決勝トーナメント進出!躍進するサッカー日本代表のウラ側(3)ハリル時代にはない一体感

 さて、選手以上に注目を集めているのは西野監督だ。大会前のテストマッチで負けても「危機感はまったくない」とノー天気な発言をして批判も集まったが、1試合目でメディアは手のひら返しである。

 本番わずか2カ月前に就任して、どうやって「戦う集団」に変貌させたのか。

「ハリルホジッチ前監督は全て否定から入り、日本人の苦手なフィジカルコンタクトなどを強化していた。それとは一転、西野監督は肯定から入り、日本人が得意なパスでつなぐ戦術に切り換えたことで、ハリル時代にゲンナリしていた選手が生き返ったように伸び伸びと練習しています」(スポーツ紙記者)

 ハリル時代は規制のオンパレードで、ゲーム形式の練習では選手同士で戦術の確認をすることも禁止されていたという。

「選手間の会話は圧倒的に増えました。ドリブルを得意とするMF乾貴士(30)、MF原口元気(27)、FW武藤嘉紀(25)は3人で集まって、『お前はこのドリブルをしたほうがいい』などとアドバイスを送り合っていた。ハリル時代にはなかった一体感がチームに生まれています」(六川氏)

 西野監督は端正なルックスで、選手時代から憎らしいほど「モテ男」だったようだが、Jリーグの監督時代もファンのハートをワシづかみにしていたのだ。

「無口でクールキャラなのに、ある日の試合後、知り合いに声をかけられると、『おう! 久しぶり!』と言って首につけていたネックウォーマーを外してポンと投げたんです。そのしぐさも爽やかな表情もアイドル並みで、周りにいた観客はキュンと胸を高鳴らせていた」(柏レイソルサポーター)

 J1で歴代最多の270勝と結果を出してきた西野監督は、昔から勝負事にかけても強運の持ち主であった。

「ギャンブルの趣味はないのですが、出演したラジオ番組の企画などで2回だけ馬券を買ったことがある。その2回とも勘で選んで万馬券を的中させています」(サッカーライター)

 運勢をも味方につけた頼れる指揮官に、小宮氏も太鼓判を押す。

「西野監督はいわゆる殿様タイプ。リーダーとしてふるまうことに慣れているし、肝が据わっています。その点、これまで日本サッカー協会で務めていた技術委員長の職務は、あくまで監督の補佐役なので、まったく向いてなかった(笑)」

 かくして、ハリルとグッバイして、結果オーライに。

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