世間で染み付いたイメージは簡単には覆せない?
7月19日、ネット販売サイトのDMM.comが、同社の主力とも言うべき成人向け事業の名称を8月1日から「FANZA(ファンザ)」に変更すると発表。社の母体だった成人向け事業を他会社のような扱いにすることで、世間のイメージを一新、金融など多角化経営に乗り出している同社のブランドイメージをアップさせる狙いだ。ところが、この報道が広まると、多くの男性ユーザーから続々と異論が噴出した。
「DMMといえば大人向け。これは誤解ではなく事実ですし、世間のほとんどの男性がお世話になっている。週刊誌などで芸能人の黒歴史的な艶動画などがスクープされると、儲かるのは発掘した出版社ではなくダウンロード事業のDMMと言われるほどです。そのように、18歳以下は鑑賞できない動画やコミックのダウンロードでDMMが得ている収益は莫大です。ですから、多角化経営を展開できている資金もR18事業で蓄えたものといって過言ではない。それが悪いことではないし、世の男性たちはむしろ『過去を隠さない堂々とした会社』というイメージを持っていた。ところがここにきて、ネット民の言葉を借りるなら『会社を支えた成人向け事業をポイ捨てした』という印象も少なくないようですようですね」(週刊誌記者)
また、「変えるならDMMの名称のほうではないか」という意見も多い。つまり、それだけDMM=R指定というイメージができ上がっているという。
「とはいえ、金融関連の会社としてDMMのブランドイメージができあがっている関係先のためにも、母体の名称を変えることはできなかったのかもしれません。今後は『うちは成人事業はやってませんよ』という体で、世間が過去を忘れるまで何十年でもかけていこうという気持ちではないでしょうか」(前出・週刊誌記者)
また、ZOZOTOWNのプロ野球界進出宣言の直後ということもあって、「DMMも球団が欲しくなったのか」という声までかなり投稿されているという。「始球式に艶系女優を毎回出してくれたら観に行く」など、茶化しすら始まっているが、これもFANZA改名への複雑な感情が、屈折な形で表れたものなのかもしれない。
(田中康)