今やこれがないと生活できない、という人だらけ。常時手放せないモノといえば、スマートフォンである。
だがほとんど中毒化したことで、「認知症もどき」の症状を訴える人が急増中、という実態があるのをご存知か。7月31日発売の「週刊アサヒ芸能」(8月9日号)の健康特集記事が、警鐘を鳴らしている。
『その「もの忘れ」はスマホ認知症だった』(青春出版社)の著者で、「おくむらメモリークリニック」の奥村歩院長によれば、
「私が開設している『物忘れ外来』の患者さんは、かつては大半が認知症の不安を抱えた高齢者の方たちでした。ところが5年ほど前から30代~50代の働き盛り世代が目立つようになり、現在は約5割が65歳までの世代。みなさん、自分はアルツハイマー型認知症ではないか、と心配して来院される患者さんです」
だが、MRIで脳の状態を検査しても、アルツハイマー型認知症の特徴である、記憶を司る脳の海馬部分の萎縮は見られない。奥村医師が続ける。
「そこで患者さんに聞き取りをすると、みなさん、それこそ食事中だけでなく、トイレやベッドの中でも肌身離さずスマホを持っているヘビーユーザーだという共通点がみられたんです」
奥村医師はこれを「スマホにより脳が過労している状態」とし、「スマホ認知症」と名付けた。スマホから入る情報を選別するため、さらに多くのネット情報を脳にインプットする。結果、脳には必要以上の負担を強いることになるという。
「そのため、脳の容量、処理能力が低下し、最終的にはコンピューターが停止。正しい記憶を取り出せなくなり、理解力、判断力が低下する。つまりスマホ認知症は、脳がオーバーフローした状態になる、オーバーフロー認知症と言い換えることもできます」(東京脳神経センター・天野惠市医師)
恐ろしいのはここから先だ。スマホ認知症はうつ病へと進行し、最終的には「ホンモノ」の認知症になる可能性が高くなるというのだから…。「アサヒ芸能」では、スマホ認知症になる危険度のチェック項目を設け、自分の状況を確認できるようになっている。