27年間勤務したNHKをこの春に退社した有働由美子(49)。民放各局による引き抜き合戦の末、民放報道番組への移籍が決まったが、局アナ時代の失敗は数知れず。実力派の意外な下積み素顔とは──。
女子アナウオッチャーの丸山大次郎氏が語る。
「有働といえば、スポーツ番組を担当した時代に変装して選手の自宅へ通う姿を写真誌に激写された『カツラ事件』が有名ですが、それ以上に忘れてしまいたいはずなのが、プロ野球中継の仕事です。06年にNHKで女子アナ初の実況を担当したのですが、赤っ恥どころか黒く塗りつぶしたい日になってしまった」
番組はBSハイビジョンでの4月23日、東京ドームでの巨人vs阪神戦だった。解説者に梨田昌孝氏(65)を迎えた実況の有働は開口一番、
「ファンの皆さん、ごめんなさい。今日は素人の目線で、さまざまな質問をぶつけていきます」
と、前のめりの攻めの実況スタイルを宣言。しかし、いざ試合が始まると状況が一変。赤星憲広、濱中治など猛虎打線が火を噴くと
「あっ!(沈黙)これは~、あ~、走った走った!」
「お~今のは、あれ? どういうこと」
など、チンプンカンプンぶりを発揮。ヒット性のあたりが出ると状況をまったく描写できずに3秒間も絶句してしまう「放送事故」を頻発させてしまったのだ。
それでも、女性初の実況というこだわりか、中継では「女房役」という独自のテーマを設け、「どんな捕手がいい女房?」「左対左というのはなぜ?」「ゆっくりなボールでも打てませんか?」「狙い球を投げなければいいですね」など、素人ビーンボールでの質問攻めに、梨田氏もタジタジ。 あげくの果てには、阪神・今岡の夫人の名前を間違えて、「すいません」と平謝り。スポーツ紙デスクが述懐する。
「さすがのダンディー解説の梨田氏からも『謝って済むような問題じゃない。女性はいいですよねぇ。そうやってニコって笑って』と厳しくツッコミが入った。放送後に有働アナは『紅白以上に緊張した。もっと野球を勉強しないといけないと反省しています』と敗戦の弁を語っていた」
初登板は炎上ノックアウト。しかも、それだけで話は終わらない。放送翌日には「緊迫感がない」「野球に関係のない話が多い」など苦情電話が100本以上殺到したという。
「女子アナによるプロ野球実況は定着せず、事実上、有働アナの2度目の登板は永久に訪れませんでした」(丸山氏)
この10月から「NEWS ZERO」(日本テレビ系)への登板が決定しているが、局関係者が新番組について語る。
「2年後に東京五輪を控え、番組はスポーツ中心の番組構成になります。『外へ出たい』という意向を受け、スタジオから飛び出たアクティブな有働さんが見られるはずです」
野球実況の“黒歴史”は民放初レギュラーのトラウマとならないことを祈るばかり。