【5】頭皮の脂を取るためシャンプーの際、指でごしごし洗う、が危ない!
シャンプーの語源はヒンディー語で「チャンプー」。オイルを使って頭部をマッサージすることで血行をよくし、体調を整え、健康に役立てる技術を意味する。
「髪の毛はだいたい5年ほどで成長して半年近く休み、次に毛根が退行する退行期に入るというサイクルがある。新しい毛は古い毛が抜けないと生えてきません」
と仕組みを解説する板羽氏がさらに言うには、
「ところが、生活習慣やヘアケアによって毛根周辺の環境が悪化すると、毛の寿命が短く、細くなります。単純な話、太さが半分になったら量は4分の1になる。つまりハゲたというのは毛がなくなったとか毛の数が減っているというわけではなく、細くなったということ。しかも古い毛が抜け落ちたあと、新しく生えてきた毛はすごく細いので、ちょっとこすっただけでも、すぐ取れてしまいます。そのため、指の腹でゴシゴシ力を入れて洗えば、大きなダメージを与えてしまう。ですから、シャンプーする時は手のひらを使って揉むように洗うこと。それが最適な方法です」
板羽氏が推奨するのは「神様シャンプー」。これは「ヒトデの手形」「カニの組み手」など6つの型があり、いずれも両手の指頭を頭皮にピッタリとくっつけて、小刻みに頭皮全体を動かしながらマッサージ。これにより毛穴がしぼられ、皮脂をきちんと取り除くことができるだけでなく、新しい毛を抜かなくて済むため、きわめて効果的なのだ。
さらにシャンプー後、タオルでゴシゴシ拭くのは避けるべき、と忠告するのは辻氏だ。
「頭皮にダメージを与えるし、キューティクルも傷めるので絶対にやらないほうがいい。髪を洗ったらタオルで押さえ、水分を吸い込ませる程度で大丈夫です。髪がビショビショのまま寝ると雑菌が繁殖しますから、自然乾燥させればいい。ドライヤーを使う場合は、頭皮に保湿液を使うことをお勧めします」
【6】夏こそ、シャンプーのあとには育毛剤でスカッとする、が危ない!
夏場は汗で頭皮がジメジメ。そんなことから夏になると育毛剤を使うという男性も少なくないが、
「育毛剤にはアルコールが60%以上入っている商品がザラにあります。シャンプーすると皮脂膜は洗い流され、いったんなくなった状態になり、徐々に元どおりになっていく。でもそんな状態で育毛剤を使うと、育毛剤に含まれる強烈なアルコールが皮脂膜を突き破って中に入ってしまうんです。当然、アルコールは人体にとって異物なので、頭皮が弱い人は痛みを感じるはずで、それを続ければどうなるかは推して知るべし。清涼感がある育毛剤が、逆に頭皮に大きな打撃を与えているということも知っておくべきなんです」(辻氏)
秋になり、薄毛が進行する頭を抱えて嘆くことのないよう、今日から直ちに「脱・脱毛秘策」を実践しようではないか!