さて、冒頭で42歳男性の喜びの声を紹介したが、同じく薄毛に悩む50歳の男性の告白を聞いてみよう。
「今まで発毛のためにいろいろ試しましたが、これといった効果は得られませんでした。ところがシナモン発毛法を取り入れ、朝のコーヒーと夜の紅茶1杯にシナモンを入れて毎日飲むようになると、最近になって、細くてうぶ毛みたいなものが、確実に生えてきている。個人差はあると思いますが、私には効果があったみたいです。それから時々、食事にもシナモンを入れるようにしています。カレーはもちろん、タンドリーチキンのような鶏肉料理にふりかけたりも」
他にはどんな「発毛レシピ」があるのか。隠し味的にさまざまな食材に入れることができるが、もちろん相性もある。管理栄養士でスパイスコーディネーター、おうちごはん研究家の金丸利恵氏が指南するには、
「ひき肉料理に合うので、ハンバーグにいいと思います。シナモンはひき肉の臭みも取ってくれます。冷凍のハンバーグを温めるなら、ソースにシナモンを入れて煮込むといいし、ミートソースに使ってもいい。きなこに混ぜてのシナモンきなこ餅もおいしいし、ココアに入れてもいい。減糖効果があるのも利点で、中性脂肪も減らせます」
いいことずくめのようだが平地氏は、こんな注意点を指摘する。
「シナモンの香り成分であるクマリンという物質は、とりすぎると肝障害を起こすという副作用もあるんです。1日の摂取量は小さじ1杯程度で十分」
このクマリンはシナモンの仲間でも含有量は大きく違っており、最も少ないのがセイロンシナモン。しかし中国産は41倍、ベトナム産は385倍もセイロンシナモンより多く含まれるため、
「スリランカ産のセイロンシナモンを選ぶといい」
と言う金丸氏が続けて、
「最初はどうしても調理でスパイスを多く入れてしまうので、少なめを心がけるように。少しでも十分、効果がありますから」
シナモン食の実践と同時に、シナモンシャンプーを勧めるのは、カトレア美容室(岩手県釜石市)の美容師、多田文子氏である。
「粉末シナモンをお湯に溶かして洗髪に使用するといいでしょう。育毛ケアに取り入れてみてください」
ちなみに、先の研究結果を発表した資生堂は昨年、シナモンエキス入りの薬用頭皮用育毛美容液を発売している。食べて、洗って、染み込ませて、ぜひ効果を実感したいところである。