【3】夏場は冷たい水でのシャンプーが気持ちいい、が危ない!
水道水には病原菌を殺し、消毒するために塩素が入れられている。
「0.1mg/リットルの濃度で、大腸菌が1分半で全滅すると言われています。しかも、日本は世界で最も塩素が強い国。そんな水でシャンプーしている私たちは、そのたびに、頭皮にいる常在菌を殺しているんです。常在菌は健康な髪の生育には必要不可欠。なくなれば発毛環境のバランスが狂い、さまざまなメカニズムも狂ってくる。育毛を考えるなら、風呂場のシャワーヘッドを塩素除去できるものに交換することをお勧めします。そうすれば常在菌との共存共栄が可能になるはずです」(辻氏)
さらに辻氏は、シャンプー選びの重要性も指摘する。
「市販のシャンプーの大半には界面活性剤が含まれていて、それに油を足している質の悪い商品もあり、脱毛をさらにエスカレートさせているんです」
辻氏はみずから天然成分の画期的「粉シャンプー」を考案。材料はコーンスターチとハトムギ粉、重曹、ミネラルウォーターだけ。簡単にできるので、ぜひ試して効果を実感すべし。
【4】夏場は朝晩2回のシャンプーで清潔に、が危ない!
朝シャンして出かけても、帰宅する頃には頭皮は汗でぐっしょり。帰宅後すぐにシャンプーでさっぱりしたいものだが、
「一般にシャンプーを2回してもいいのは、男性ホルモンの働きが活発で皮脂量が多い20代前半まで。それ以降は必要ありません。過度なシャンプーは、頭皮表面の角質細胞を剥ぎ取ってしまうため、さまざまなバリア作用を低下させ、かえって頭皮環境を悪化させてしまいます。皮脂は本来、皮膚の表面を滑らかにし、乾燥から皮膚を守るために分泌されています。乾燥しすぎたことで外部からの刺激に敏感になって炎症を起こす場合もあるので、洗いすぎには注意が必要です」(板羽氏)