頂点に立ってナンボの芸能界。「自分以外は敵だらけ」の競争社会に身を置けば、遺恨や確執が生まれるのも必至。餅つきと喧嘩は一人でできぬ──と言うけれど、いったいなぜそこまでこじれたのか。酒のトラブル、ギャラ問題、キャラかぶり‥‥、修復不能な芸能男女18組の「積年バトル」の真相を大暴露!
お笑い界の舞台裏をのぞけば、笑えない遺恨エピソードのオンパレードだ。
8月11日放送のトークバラエティー「おかべろ」(フジテレビ系)で今田耕司(52)との25年間にわたる確執を暴露したのは中山秀征(51)。2人は若手時代の93年にバラエティー番組「殿様のフェロモン」でともにMCを務めていたが、舞台裏ではバチバチの火花を散らしていた。
くだんの「おかべろ」で中山が明かすには、番組スタート前の決起集会で今田にビールをつごうとしたところ、
「あ、大丈夫です」
と断られてしまったという。そればかりか、
「ヒデちゃんと呼んで」
こう言って歩み寄ってはみたものの、
「なんで知らないヤツをヒデちゃんって呼ばなきゃいけないんだ」
と、今田がかたくなに拒絶したことで、現場は最悪のムードに。中山は当時の心境についてこう振り返った。
「バチバチで、初めて人とこんなにうまくいかないと思ったわけ」
結局、番組終了後はお互い顔を合わせることもなく、「共演NG」の関係が続いたという。
芸能評論家の竹下光氏が解説する。
「当時は今田の師匠格にあたるダウンタウンが東京進出して、本格的に地盤を築き始めた頃。東京のタレントにはなみなみならぬ対抗心を燃やしていて、それが今田にも伝染してしまったのでしょう。実際、番組出演にあたって、浜田雅功(55)からは『全員、殺してこい!』とハッパをかけられたそうです」
現在はすでに和解しているようだが、中山と今田のバトルは、いわば代理戦争だったのだ。「事件」の翌94年に松本人志(55)が発表した著書「遺書」(朝日新聞社)の「ババロア頭の君に告ぐ」と題された章にこんな記述がある。
〈レギュラー十四本の奴よ、分かったか! これがプロの仕事なのだ。(中略)自分から「十四本やってます」などと、自慢げにアホ面して言うなばかたれ!〉
実名こそ出していないものの、この「ババロア頭」が中山を指していることは、業界では共通認識だという。200万部超のベストセラーで真っ向から批判されては、中山も折り合いをつけるのは難しそうだ。
ダウンタウンが東京進出の際にバラまいた火種は、この中山との一件に限らない。89年にタモリ(73)が司会を務める「笑っていいとも!」(フジ系)の火曜レギュラーを務めていたのだが‥‥。
「松本がテレビ番組やラジオなどで『いいとも!』出演の裏話として、『ギャラが3万5000円だった』と暴露してしまったんです。また、当時の2人はイケイケの芸風だったため、『いいとも!』ではタモリさんとほとんどかみ合っていませんでした。4年前のグランドフィナーレで久しぶりに共演しましたが、3人のカラミはほとんどナシ。今後、同じ画面に映ることはないでしょうね」(竹下氏)