「同類相憐れむ」とは、このことか。みずからも飲酒運転による事故を起こした経験を持つ坂上忍が、元モーニング娘。吉澤ひとみの酒気帯び運転とひき逃げを擁護したという。
事件翌日の9月7日に放送された「バイキング」(フジテレビ系)では、番組MCの坂上が現場から逃走した吉澤について「パニックになっちゃったのかな、という気がしないでもないんですけど」とマイルドなコメント。ほとんどの芸能人が吉澤の行状を厳しく断じているのに対して、鮮やかすぎるコントラストを描いていたのである。
「もし坂上が吉澤に対して厳しいコメントを出せば『おまいう!』(お前が言うな)になるのは目に見えています。しかし坂上は芸能界でも数少ない飲酒運転の当事者なのですから、自分の経験を披露したうえで、芸能人が飲酒にどう向き合うべきかを語ることはできるはず。むしろ反省の気持ちを見せ続けることで『坂上、よく言った!』という評価を得るチャンスですらあったはずです。そこを安易に逃げてしまった姿勢には、ワイドショーのMCとして実力不足を指摘せざるを得ませんね」(芸能記者)
そんな坂上の姿勢を残念に感じていたのは視聴者だけではないはず。それゆえ今回、フジテレビが大きな収入源を失う恐れに瀕しているという。テレビ誌のライターが指摘する。
「坂上の態度を自動車メーカーの関係者が不愉快に感じても不思議はありません。そこに広告代理店の忖度も加わって今後、『バイキング』で自動車関連のCMが流れなくなる可能性があるのです。今も昔も自動車メーカーのCMはテレビ局にとって収益面で大きな柱であり、それを失うのは番組として大きな痛手。視聴率には表れない部分で、フジテレビは大きな損失を被るかもしれません」
口は禍の元というが、しゃべらないことが災いを招いてしまうこともあるようだ。
(金田麻有)