創業79年、東京の粋が宿るカウンター席 「いか刺し」の御姿はこれぞインスタ映え!
こんなにも昔のままの店が、東京駅から徒歩3分の場所に残っている。そのことが、どれだけ多くの酒飲みたちの心の支えになっていることか。「ふくべ」は、昭和14年創業の老舗酒場。一度は戦争で焼けてしまうも、東京オリンピックが開催され、東海道新幹線が開通した昭和39年に現在の場所に建て替えられて、そのままの姿で現在まで営業を続けている。
数え切れぬ酔客たちの肘で磨かれ、日本の酒場の宝と言っていい味わいを醸し出すヒノキの1枚板のカウンター。注文ごとに酒を計る、使い込んで丸っこく角の取れた一合升は、30年以上の現役選手。その空間に身を置き、特製の徳利から注いだぬる燗をしみじみと味わうことの、この上ない贅沢。
酒のそろえは日本全国から常時41種類。肴は毎日市場から仕入れる魚介類を中心に、良い素材をあまり手をかけすぎずにシンプルに出す、東京の粋な酒場の真骨頂だ。生のイカの切り身にウニが乗る、今でいう「インスタ映え」抜群な一品もあり、そこには女将さんのセンスが反映されている。
「ここらには創業100年を超える老舗のお店がごろごろありますから、うちなんかはまだ鼻ったれですよ」と笑う二代目ご主人の姿勢に、こちらも思わず背筋が伸びた。
■通人の酒席 ふくべ
住所:東京都中央区八重洲1-4-5 電話:03-3271-6065 営業時間:月~金16:30~22:40 土16:30~21:50(LO.閉店45分前) 定休日:第2・4土曜、祝日