この9月末に前事務所との契約が終了し、10月から個人事務所で活動している歌手の大原櫻子を巡り、「悪評」が飛び交っている。11月20日発売の「週刊女性」によると、大原の親族が大原の売り出し方やギャラの配分について事あるごとに事務所側と衝突。ついには来年1月10日に日本武道館で予定されていた歌手活動5周年記念コンサートも、父親側が法外なギャラを要求したことで開催中止になったというのである。
同コンサートではすでに武道館は仮予約していたものの、今年8月ごろに中止を決定。記事ではこの中止が自己都合のドタキャンでしかなく、しばらくは武道館を“出禁”になる可能性すらありそうだと報じている。だが、コンサートの制作事情に詳しい音楽ライターは。その“出禁”について首をひねる。
「正直、そんなことで武道館を出禁になったりしませんよ。そもそも武道館のような大会場は出演者が自分で予約するのではなく、レコード会社や所属事務所からコンサート制作を請け負った業者の名義で予約するもの。それにコンサートが様々な都合でキャンセルになることは珍しくなく、その場合は代わりのアーティストを探して会場予約をそのまま引き継ぐのが恒例です。8月の中止決定なら5カ月の余裕があり、代替案を見つけるのは難しくありません。中には武道館側が『このアーティストは武道館にふさわしくない』とNGを出すこともありますが、大原は16年に同所で2デイズ公演を行っており、出禁を言い渡される理由はないはずです」
それでは今回の記事ではなぜ、関係者がそんなデマを流したのか。それは大原が置かれている境遇にあるという。音楽ライターが続ける。
「正直なところ、大原を巡る悪評は音楽業界に広く知れわたっています。前事務所のスタッフが、具体的な名前は出さないまでも『勝手なことを言う連中に困っている』と不満を漏らしていた話も伝わっています。しかも同様のトラブルは前事務所が初めてではなく、以前から各所で揉めていたとのこと。そうなると音楽業界は狭い世界ですから、誰も大原に手を出したがらなくなるのです。それゆえ武道館についても、話に尾ひれがついて“出禁”というデマが生まれてしまったのでしょう。なお彼女の名誉のために付け加えると、大原本人は現場でも評判が良く、周りから愛されていました。それゆえ最大の被害者は大原自身かもしれません」
芸能界では親がしゃしゃり出るとほとんどの場合、本人にとってマイナスの結果を生んでしまいがち。大原の歌を愛するファンのためにも、彼女がふたたび活躍できるよう、環境を整えてあげてもらいたいものだ。
(金田麻有)