10月期ドラマが軒並み最終回を迎え、今期で最大級の話題作となった「今日から俺は!!」(日本テレビ系)がシリーズ最高の視聴率12.6%で有終の美を飾った。平均視聴率の9.8%は惜しくも二桁には届かなかったものの、日曜10時枠では15年7月期の「デスノート」(11.5%)以来となる好調な数字をマークした形だ。
「放送前には80年代ヤンキーの物語が今どき受けるはずがないと散々な評判でしたが、ふたを開けてみれば、主演の賀来賢人が俳優としての評価を急上昇させる熱演を見せ、ダブルヒロインの清野菜名と橋本環奈はその可愛らしさで男性視聴者のみならず、女性視聴者からの支持も獲得。若者から中高年まで幅広い層を味方につけたのです。中でも清野はその昭和顔が聖子ちゃんカットにぴったりとハマり、もとより得意とするアクションも存分に発揮したことで、新世代ピュア系女優としての一大出世作となったことは確実でしょう」(テレビ誌のライター)
YouTubeの日テレ公式チャンネルで公開されているクランクアップのメイキング映像では、ムロツヨシが「続編があると思いますんで」とコメントし、清野は「映画化、楽しみにしています!」と語るなど、次なる展開も期待できそうだ。そんな成功作の「今日から俺は!!」の陰で、その地位が危うくなっている女優がいるという。テレビ誌のライターが続ける。
「同じ日本テレビの水曜ドラマ『獣になれない私たち』でヒロインを務めた新垣結衣です。同作ではこれまでのピュア系路線を脱却して恋と仕事に苦しむOLを演じ、禁断のベッドシーンまで公開したものの、最終回の視聴率は8.3%どまり。平均視聴率の8.7%は『今日俺』に1ポイント超の差をつけられ、今期の日テレドラマではSexy Zone・中島健人主演の『ドロ刑』にも負ける第3位という結果になりました」
低迷の原因としては、社長からの恫喝や取引先への土下座など、観ている視聴者のほうが辛くなってしまうシーンが続出した点にも問題はあるはず。とはいえ、やはり、主演・新垣の責任を問う声も免れないようだ。
「三十路を迎えて演じる役柄が変化するのは当然とは言え、新垣にとって最大の魅力だった“ピュアさ”が失われつつあることに寂しさを感じる視聴者も少なくないようです。どんな分野にも世代交代はつきものですが、今回は同じ日本テレビのドラマだったこともあり、30歳の新垣から24歳の清野に“ピュア系女優”の若返りが残酷なまでに示された形。ただ新垣の演技そのものには評価の声も多く、ピュア系というジャンルで後進に道を譲ったと言うこともできるでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
思えば18歳だった2006年の「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」(日本テレビ系)からピュア系女優のトップ集団を走り続けてきた新垣。その世代交代を悲しむより、12年にもわたってそのピュアなイメージを維持してきたことに賞賛の拍手を送るべきなのかもしれない。
(金田麻有)