玉 やっぱり貴乃花だな。最近ずっと話題だけど。今年は貴乃花の年だった。
吉 若の評価が上がる時代が来るとは思わなかったですね。貴が落ちて若が上がるっていう。
宇 相対的に錯覚させられちゃう。
玉 人生の番付はまだ続いてるっていうことだよ。花田虎上の元奥さんの美恵子と、景子と紀子の3人でトリオを組んで、「ショッキリ娘」っていうユニット組めって言ってるんだよ。「初っ切り、初っ切り、初っ切りな」って。人生初っ切りだからさ。もともと、女子アナ3人娘だからね。有賀さつき、八木亜希子、河野景子という。
吉 そうか、3人娘のメンバーが変わるだけですね。
玉 うん、新3人娘。
宇 絶対、仲よくないよ、その人たち!(笑)
玉 まさかこんなことになるとは。平成が終わるっていうことの時代の象徴じゃねえの。どんなに幸せそうに見えた家族だって、バラバラになるっていうこと。
宇 俺、ずっと相撲界に怒ってたもんなあ。「ふざけんじゃねえぞ、宮沢りえの激やせの責任取れ、この野郎」って。相撲界と歌舞伎界にずっと怒ってたもん。
玉・吉 アハハハハハ。
玉 伝統芸能に対して。でもね、貴は全てを失ったわけだから。相撲も、家庭も、金もさ。
吉 残ったのは宗教ぐらい。
宇 けっこう、右曲がりな感じですよね。
玉 俺、よく言うんだけど、船木(誠勝)と貴乃花って、そっくりなんだよね。
吉 ホント、顔つきから何から似てますよね。
宇 真面目すぎるところから始まって。
玉 真面目すぎるところが美談にされてる部分があるんだけど、そこから急に、「あ、ちょっとこの人、違うんだ」っていう狂気に変わる瞬間がある。それが船木と貴乃花だよ。
吉 船木の自伝の中に大好きなフレーズがあって、船木が松田優作の大ファンなんですよね。毎年、命日には墓参りに行っていて、「松田優作は優しさを作ると書く。僕の本名は船木優治。優しさを治めると書く。似ている」(笑)。
玉 よせよ、ホントに。虎上が普通に見えてくる。
吉 社交性もあるしね、ちゃんとしてますよ。
玉 虎上は「辞めたほうが大変だ」って言ったのよ、貴に。何にも知らねえんだから、社会に出るってことを。商売をやったりとか。
吉 「ちゃんこダイニング若」ね。貴がどんどん右寄りになってるじゃないですか。で、貴といちばん仲がいいのが貴闘力。貴闘力は佐山聡の親友なんですよ。
宇 ああ、完全に思想的に。
吉 つながったという。
玉 つながったな。右上手取っていった。
宇 うまいね(笑)。きれいに落としますねえ。
吉 TAKAみちのく、不倫騒動。新日本プロレスのオーナー・木谷高明さんとこの前、対談したんですよ。想像以上に話がわかる人で、「レスラーって何やっても意外と人気落ちないんです」って言うんですよ。「棚橋(弘至)見てもわかるように、最近もいろいろあったじゃないですか」って。二股交際刃傷事件の棚橋をはじめとして、全ての実名を挙げて、「あれもあった、あれもあった」みたいな。「柴田(勝頼)もあったじゃないですか」「えっ、柴田の不倫エロLINE流出もいじっていいんですか」みたいな(笑)。「何があっても意外と人気って落ちないんです。でもウチのエース(オカダ・カズチカ)が交際した声優(三森すずこ)だけは落ちたんです。やっぱりねえ、声優ファンは処女幻想が‥‥」みたいな話をしちゃって。
玉 やったもん勝ちだもんな、プロレスファンは。そこは猪木イズム。スキャンダルを興行に結び付けないでどうするんだという。
吉 「最近のあの選手の女性スキャンダルも興行に使えないか? と思ってたんですけどね」って。オーナーはそういう人だったんですよ。
<座談会参加者>
玉袋筋太郎:1967年生まれ。東京都出身。現在「バラいろダンディ」(TOKYO MX)、「人生酒場~唄は夜につれママにつれ」(TOKYO MXほか)、「別冊アサ“秘”ジャーナル」(TBS)、「ぴったんこカン・カン」(TBS)、「たまむすび」(TBSラジオ)、「玉ちゃんのおとこの作法」(ラジオ関西)、「たまきよのミッドナイトで乾杯!」(SPEEDチャンネル)などに出演中。一般社団法人全日本スナック連盟会長。
吉田豪:1970年生まれ。東京都出身。プロ書評家、プロインタビュアー、ライター。徹底した事前調査をもとにしたインタビューに定評があり、取材対象についての知識は本人をもしのぐと言われる。「男気万字固め」、「人間コク宝」シリーズ、「サブカル・スーパースター鬱伝」「吉田豪の喋る!!道場破りプロレスラーガチンコインタビュー集」など、多数手がけている。
宇多丸:1969年生まれ。東京都出身。1989年、大学在学中に「ライムスター」を結成。日本ヒップホップの黎明期よりシーンを牽引し、ますます旺盛に活躍中。07年に「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」(TBSラジオ)でラジオ・パーソナリティとしてもブレイク。09年、第46回ギャラクシー賞「DJパーソナリティ賞」を受賞。現在は「バラいろダンディ」(TOKYO MX)、「アフター6ジャンクション」(TBSラジオ)などに出演中。