1月5日放送の「逃走中」(フジテレビ系)に、お笑いコンビ「とろサーモン」の久保田かずのぶが出演し、大きな話題を呼んでいる。久保田は周知のとおり、12月2日に決勝が行われた「M-1グランプリ2018」(テレビ朝日系)の放送終了後、スーパーマラドーナの武智とともに審査員の上沼恵美子を口汚く罵る暴言動画をSNSに投稿。これが芸能界総出の勢いで猛批判され、活動自粛に追い込まれていた。そのため「逃走中」の収録に参加していること自体がおかしいと、視聴者が首をひねっているのだ。「その内幕」について、テレビ誌のライターが言う。
「今回の『逃走中』は暴言事件より1カ月も前の11月9日に収録されていたので、久保田の出演も不思議ではないのです。その収録日をバラしたのは、収録の途中で転倒して顔面を負傷した東国原英夫。収録後に顔を腫らしたまま『バイキング』(フジテレビ系)に生出演し、視聴者から心配と疑問の声が噴出したため、ツイッターで『今朝の「逃走中」のロケで、雨で地面が滑り、走る途中、もんどりうってこけました』と、明かしていました」
ところがフジにとって誤算だったのは、久保田が暴言動画により活動自粛に追い込まれたことだ。他の番組なら久保田の出演シーンをカットすることで対応するが、「逃走中」では出演者全員の集合シーンも多く、久保田のみを画面から消すのは不可能。とはいえモザイクをかけるのはあまりにも不自然で、フジテレビ側は頭を抱えていたことだろう。そんな最悪の事態をなんと、TBSが救ってくれたというのである。
「久保田の『逃走中』出演を正当化するためには、同番組が放送されるより前にとろサーモンがテレビ復帰を果たしている必要がありました。ここでラッキーだったのは、元日の夜に『笑いの王者が大集結!ドリーム東西ネタ合戦』(TBS系)が放送予定だったこと。とろサーモンが所属する吉本興業としては彼らをテレビ復帰させる場を求めており、年が明けて最初の大型お笑い番組となる『ドリーム東西ネタ合戦』はタイミング的に絶好の番組でした。そして何より同番組には吉本興業が制作協力で関わっているので、彼らの意向を反映させることが可能だったはずです」(前出・テレビ誌ライター)
同番組に“M-1グランプリ王者”としてとろサーモンが出演すると、宮迫博之は「いいんですか!?」と驚きの声をあげ、司会者のダウンタウン松本人志も「いまどういうネタをチョイスするのか見てみたいよね」と呼応。実際の収録は12月15日に行われており、暴言騒動から2週間も経っていない時期だったので、スタジオはさぞやピリピリした雰囲気だったことだろう。
「ステージに登場したとろサーモンは、相方の村田秀亮が『世間をお騒がせして申し訳ないです』と謝罪し、久保田も『喜怒哀楽すべて捨てて話してます』と自分なりの言葉で反省の意を示していました。これで表舞台への復帰を果たしたばかりか、結果的にフジテレビを救うことになったのですから、今回の出演は実に大きな意義を持っていたわけです」(前出・テレビ誌ライター)
元旦の番組でとろサーモンがテレビに復帰すると聞いた「逃走中」スタッフの間には、迫りくるハンターから逃げ切ったかのような安堵感が広がっていたに違いないだろう。
(金田麻有)