女子プロテニス選手の大坂なおみが1月26日の全豪オープンで優勝、アジア人で初となる世界ランキング1位という快挙を達成した。翌27日、改めて優勝会見に臨んだ大坂は、日本メディアからの質問にも丁寧に応えていたが、そのシーンについて視聴者からはこんな疑問も伝わっていたようだ。
「大坂選手の会見では日本人記者が日本語で質問し、大坂が英語で答える場面がおなじみ。3歳からアメリカで生活していることから彼女の話す日本語は決して流ちょうではありませんが、日本人の質問には聞き返すこともなく、ちゃんと内容を理解して返答しているのです。このアンバランスさに、はたして大坂は日本語が得意なのか不得意なのかよくわからないという声もあるようですね」(スポーツ系ライター)
大坂自身は日本語を積極的に勉強しており、日本語ラップを聴いたりテレビドラマを観るなど、できるだけ日本語に接するようにしているという。そんな努力に加えて通訳要らずのヒアリング力を発揮できるのは、一般的な理解に反して「日本語は簡単な言語」だからだという。語学に詳しいライターが指摘する。
「在日外国人と会話したことのある人なら、彼らの多くがヒアリングにはあまり困っていないことを実感しているはず。それは日本語には発音のバリエーションが100強しかなく、聞き取りで迷うことが少ないからです。それに対して外国の言語は数百から1000以上もの発音を持ち、日本人の学習者はその聞き分けに苦労するんです。つまり大坂を含む外国語の話者にとって、日本語は聞き取りやすい言語であり、大坂のように普段からヒアリング力を鍛えていれば、記者からの質問にも難なく対応できるというわけです」
もちろん特殊な文法や表記法がある日本語は、マスターするのが難しい言語とされている。ただ大坂の場合、3歳まで日本で育ち、今ではツアーに母親の環さんが同行していることから常に日本語をブラッシュアップすることが可能だ。今後はさらにボキャブラリーが増え、ウィットに富んだ会見を楽しめるようになることだろう。
(金田麻有)