「池江璃花子が白血病を告白」のニュースは、瞬時にして全国を駆け巡った。弱冠18歳にして日本競泳女子のエースとして国内無敵の強さを誇ってきた彼女に対し、誰もが早期回復を祈り、各界からエールが届いた。一方で「白血病パニック」は、周辺関係者を右往左往させているのである。
18年の池江璃花子(18)の快進撃は、まさに“半端ない”ものだった。日本記録更新が1年間で14回を数えたのである。スポーツ紙記者が振り返る。
「昨夏、東京で開催された3大国際大会の一つ、国別対抗戦『パンパシフィック選手権』では、得意の100メートルバタフライで昨季最高タイムの56秒08で金メダル。史上3人目の55秒台突入に迫る好記録でした」
誰の目にも前途洋々と映る中での今回の衝撃公表だっただけに、各界からエールと祈りのコメントが数多く寄せられ、翌日のスポーツ紙や情報番組では大々的に紹介された。民放局スタッフが話す。
「その中でも、デイリー新潮が報じた祖母の『オリンピックなんて、もう出なくていい。生きてくれさえすれば。私が死ぬ前に死んでほしくない』という談話は涙を誘いましたね。対照的に、桜田義孝五輪担当相(69)の『本当にガッカリしている』『盛り上がりが下火にならないか心配している』などと述べたコメントには非難の嵐でした。翌日に撤回はしたものの、彼女への謝罪はなく、あたふたと動揺する姿がみっともなかった」
来年に迫った東京五輪の成功しか頭にない胸の内を露呈してしまった格好である。さらにもう一人、炎上こそ免れたが、不謹慎発言をした人物がいる。東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(81)だ。広告代理店関係者が話す。
「森会長の『仕方ないんじゃないか。しっかり治療すればいい。頑張りなさい』というそっけない発言を知った時は驚きましたね。もう少し、温かみのある言葉をかけられないものかという思いになりました」
怒るのも当然だ。森会長と池江は、今年の年頭に大手広告代理店が主催する賀詞交歓会で顔を合わせていたのだ。関係者が当日の様子を明かす。
「その時の池江さんは終始笑顔で体調もよさそうでした。華やかな晴れ着姿で出席者の目を釘づけにしていましたね。とはいえ高校3年生のアスリートですから、周囲も気を遣い、声をかけたり、記念撮影をすることをためらっていたんです。ところがビールを飲んで上機嫌の森会長が『ちょっとこっちへ来なさい』と、池江さんに声をかけて隣に座らせた。もちろん、お酒を勧めることはありませんでしたが、記念撮影をせびりはじめました。周囲から『酒席でツーショット写真を撮って大丈夫か』と心配する声も漏れる中、彼女はきちんと“神対応”をしていた。気配りのできるステキなお嬢さんだなと感心していただけに、都合のいい時ばかりにしゃしゃり出る森会長の対応が残念でなりません」