競泳女子の池江璃花子選手が白血病を告白した件で、日本全国はもちろん海外からも池江選手に激励のメッセージが寄せられている。2月12日に更新したツイートは2万件を超えるリプが届いており、中には本人や家族が白血病の罹病歴を持つ人も少なくない。
それらの激励については「善意の攻撃になってはいけない」と警鐘を鳴らす声もあがっている。そして激励の声を寄せる人たちの中には、白血病の当事者に近づけるべきではないケースも少なくないのだという。ガン患者との交流を持つ医療系ライターが指摘する。
「白血病を含むガンには様々な治療法がありますが、ここで気を付けたいのが数々の民間療法。もちろん民間療法といっても精神面の安定に寄与することでプラスになるケースもあるのですが、現実には多くの民間療法が根拠に乏しく、中には病状を悪化させるケースも少なくありません。しかし池江選手のような著名人が罹病すると、そういった民間療法を勧める人が集まってくるもの。池江選手本人だけでなく、同じような症状に苦しんでいる人たちの弱っている心につけこむ人が後を絶たないのが悲しい現実なのです」
そういった民間療法を勧めてくる人たちには、いくつかのタイプがあるという。医療系ライターが続ける。
「金儲けのためにやたらと高い健康食品や治療器具を薦めてくる人はむしろ少数派。多くの人はあくまで本当に善意から勧めており、だからこそタチが悪いと言えます。水素水やヨーグルトといった飲食物を挙げる人もいれば、貴重な薬草や特定の成分が含まれたサプリメント、もしくはパワーストーンのように身に着けるものの効果を強調する人もいます。他には『○○を信じれば治る』と信心を薦めるケースや、どこそこの温泉が効くなどと転居を勧める例も。ただ、ほぼすべての民間療法にはエビデンス(具体的な検証結果や臨床結果)が存在せず、中にはかえって病状を進行させるケースも少なくないことを、しっかりと心に留めておくべきでしょう」
白血病やガンに限らず病気の治療にあたる時は、ネットの情報を安易に参考にせず、患者会など当事者から情報を収集するのもオススメだという。池江選手をはじめとする患者たちの一日も早い回復が望まれるところだ。
(金田麻有)